大阪府吹田市の府警吹田署千里山交番前の路上で6月16日午前5時40分、古瀬鈴之佑巡査(26)が刺され、拳銃が奪われた強盗殺人未遂容疑事件で、府警は17日、東京都品川に住む飯森裕次郎容疑者(33)を箕面市の山中で発見、逮捕した。
飯森容疑者は拳銃を所持し、拳銃に弾は4発、残っていた。強奪された時は5発で1発、使われた可能性があるという。
事件直後、府警は千里山交番の防犯カメラに映った不審な動きをしていたメガネの男の写真を公開。手配写真の手の部分がボカされていた理由は、凶器とみられる包丁を持っていたためだという。写真公開が犯人逮捕につながった。
飯森容疑者を早朝、現場近くの阪急電車「千里山」駅で目撃した住民はこう話す。
「急に男の声で、うぉーという声が聞こえてなんだろうと思った。そのままホームに行き、電車を待っていると、何人もの人が『救急車を呼んで』『すごい血だ』などと言いながら、駅に駆け込んできた。改札近くに戻ったら警官らしき人が倒れていて周囲を人が囲んでいた。すごい血が流れていた。うぉーと叫んでいた男がやったんじゃないかと思った」
防犯ビデオの公開直後から飯森容疑者の目撃情報が相次いだ。
「公開すると、現場から2kmほど先にあるホテルに泊まった男ではないかという情報が寄せられた。調べると6月14日にチェックインした。防犯カメラの男に似ており、挙動不審でチェックインの際も周囲をきょろきょろと見まわしていたという。その後、報道を見た飯森容疑者の父親から、『うちの息子ではないか』との情報が寄せられた。さらに調べると、現場近くの量販店で血が付いた服を着て男が現れて衣料品を買っていたことが判明した」(捜査関係者)
飯森容疑者の生まれは神奈川県だが、育ちは現場近くの大阪府吹田市だという。通報した父親は在阪メディア役員で、飯森容疑者は大阪府内の中学校から公立高校に進み、東京の大学に進学したという。
「確か中学校時代から野球部にいて、かなりうまかった。勉強もよくできたし、いいやつだった。それがこんな事件を起こすとは思いもしないですよ」(同級生)