エリザベス女王(96)の即位70年を記念する祝賀行事が6月2~5日の4日間、華やかに繰り広げられた。
【写真の続き】「ほぼ末席」に通されたヘンリー王子とメーガン妃
英王室初の「プラチナ・ジュビリー(70年の祝祭)」とあって、「歴史的イベントに参加できてうれしい」「女王に感謝の気持ちを表したい」「一生で一度きりの経験だと思う」と興奮気味の人たちが多く参加した。コロナが落ち着いてきた実感もあるのだろう。明るい表情の人が圧倒的だ。ちなみに今回のイベント関連の経済効果は約1兆円とされている。
開幕初日は、女王の公式誕生日を祝う「トゥルーピング・ザ・カラー(軍旗分列行進式)」で始まった。1748年のジョージ2世時代から300年近く続くというパレードで、1200人ほどの兵士が200頭以上の馬と共に一糸乱れぬフォーメーションを見せたり、楽隊が見事な演奏を披露したりした。
■参加の「お墨付き」もらった
女王はかつてのように軍服姿で騎乗して閲兵することはないが、バッキンガム宮殿のバルコニーから見守った。杖をついても背筋を伸ばし、いとこのケント公(86)と並んで立った。その時、ふと手袋のまま涙をぬぐう様子が見られている。
しかし翌3日には、「体調に違和感」を覚えたとして、セントポール大聖堂での感謝の礼拝を欠席した。4日のエプソム競馬場にも足を運ばなかった。
今回、注目された出来事のひとつに、ヘンリー王子(37)とメーガンさん(40)の渡英があった。
夫妻はオランダで4月後半にあった国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」の前に英国で女王に会い、プラチナ・ジュビリーに参加する「お墨付き」をもらった。そして今回、長男のアーチー君(3)と、長女のリリベットちゃん(1)を連れてやってきた。
ヘンリー王子は祖父のフィリップ殿下の葬儀と、母ダイアナ妃の銅像除幕式には出席しているが、メーガンさんは夫妻が王室を離脱して以降、「公式イベント」の参加は約2年ぶりだ。
夫妻の姿が最初に見られたのは、ウィンザー城に向かう車中だった。メーガンさんはわざわざ車の窓をおろし、路上の人たちに笑顔で手を振った。夫妻はかつて、英国滞在中は警察が警備するよう求めて英政府と揉めたことがある。そのため「英国は危険だとして、警備に細心の注意を払っているのではなかったのか」といぶかしがられた。