現役時代は“ミスタードラゴンズ”と呼ばれ活躍した中日・立浪和義監督

 中日の注目度が“全国区”になりつつある。チーム自体は球団史上最長とも言える低迷期に入っているが、恐竜軍団はなぜ支持され始めたのだろうか。

【写真】将来的には移籍の可能性も 中日の“気の毒な投手”といえばこちらの選手

 2月22日、キャンプ終盤に行われた中日と阪神の二軍練習試合(沖縄・読谷)のスタンドは超満員に膨れ上がった。

「近隣でキャンプを行う一軍球団はそろって休日だった。二軍とはいえ阪神相手なのでお客さんが多いと思っていたが、無料開放された内野スタンドはぎっしり埋まり立ち見までいた。明らかに中日ファンが増えているのがわかった」(中日担当記者)

 阪神グッズを身につけた人も多かったが大部分が中日ファンだった。大島洋平、高橋周平などの一軍選手が調整出場したこともあるが、中日の人気が高まっていることが伝わってきた。

「立浪和義監督就任から2年連続最下位となりネット上では批判がやむ日はなかった。それなのに本拠地バンテリンドーム(以下ドーム)だけでなく、ロードゲームでもファンが増えているようにも感じ、不思議な気がしている」(中日関係者)

 昨季は56勝82敗5分けで球団史上初となる2年連続で最下位となった。2011年以来リーグ優勝から遠ざかり、ここ10シーズンはAクラスは2020年の1回のみで、その他は4位が1回、5位が5回、最下位が3回と“ファン離れ”が起きてもおかしくない状況だ。しかし、昨シーズンは主催72試合の観客動員数は218万3950人(12球団中5番目)と、コロナ禍前の2019年以来、4年ぶりとなる200万人超えを果たした。

 また、成績的なこと以外でも、所属している選手が指摘しているように“地味”な印象もあったが、ここ数シーズンは特にネット上で人気チームの巨人や阪神に負けぬほど、中日関連のニュースが野球ファンの間で話題となっている。加えて、昨シーズンのオフにはかつて侍ジャパンでも4番を務めた中田翔(前巨人)を獲得するなど、さらに野球ファンから注目される存在となった印象だ。中田は自身のYouTubeチャンネルを開設し、選手自体の発信力も強まっている。

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「以前はコアなファンが多い印象だったが…」