大学受験が本格的なシーズンに突入した。過去に話題となった記事を再配信する。(この記事は、2023年7月27日に配信した内容の再配信です。肩書、情報等は当時)
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東大生の母親の管理職割合は4.8%という調査結果が出た。やはり女性がキャリアと子の受験を両立するのは難しいのか。AERA 2023年7月31日号の記事を紹介する。
子どもの受験の合格のためには、親がスケジュールを管理し、栄養豊富な食事をつくり、勉強も見てあげなくては……というイメージがあるけれど、仕事が忙しくてとても無理。やはり仕事をセーブして、子どもに寄りそうべきなのか──。こう葛藤している保護者もいるのではないか。
実際、東京大学の学生の家庭を調べてみたら、母親の専業主婦率は高い。東京大学の学生の一部が回答した学生生活実態調査(2021年度)によると、東大の学部生の母親で無職なのは29.5%だった。それに対して、無職の父親はたったの2.3%だ。
同じ世代の子を持つ母親と比べても、専業主婦率は高い。厚生労働省が産後を15年間追った調査では、現役東大生に近い世代の2001年に生まれた子どもの母親は、子どもが中学3年時に無職が18.8%(第15回21世紀出生児縦断調査)だった。
親の忙しさはどうか。東大の学生生活実態調査によると、東大学部生の母のうち、管理職は4.8%。父の37.3%に比べて、格段に低い。
このデータは何を意味するのだろう。
東大本部広報課は本誌の取材に、この管理職率について「比較対象もないため、分析はしていない」と回答しているが、やはり東大受験という壁を越えるためには、母親の手厚いサポートが必要で、忙しく働く管理職が子どもを支えるのは難しいということなのだろうか。
調査によると、東大生の家計を支える人の4割が年収950万円以上だった。家計に余裕があるから、母親が働く必要がないという可能性もある。
では、管理職に就く母親が4.8%という数字はどう見るか。管理職の働き方に詳しい静岡県立大学の国保祥子准教授は言う。
「東大生の母親が特に管理職の割合が低いとは言い切れません」