MENU 本は、つねに視界に入る場所に置く 環境が整えば、子どもは自然と本を読む

 読書離れが進むといわれる今どきの子どもたち。本を読んでほしいけれどなかなか定着しないというご家庭に、子どもが読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を立ち上げた笹沼颯太さんが、子どもを本好きにする方法をアドバイス。今回は、子どもが自分から本を手にとるようになる、家庭でのちょっとした工夫について教えてもらいます。

本は、つねに視界に入る場所に置く

――本棚には本がたくさんあるのに、なかなか読んでくれません。どうしたら自分から読んでくれるのでしょう……。

 子どもが自分から本を手に取るようにするために、動画のしくみを取り入れてみましょう。

 まず、本は基本的に「出す」「見せる」ことを意識してみるといいと思います。本を読む子どもなら、自分で本棚から読みたい本を探して出すことをしますが、日常あまり本を読まない子どもは、本棚に並んでいる本はさらに遠い存在になります。ですから、「これは読みそうだな……」と思う本は出しておきましょう。

 たとえば、ゲームがいつもテレビのそばにセッティングされていれば、自然にゲームに手が伸びますよね。スマホやタブレットがテーブルに置いてあれば、動画を見てしまうでしょう。これはどちらも距離が「近い」からですよね。これと同じです。本もつねに視界に入る「近い」場所に置くのです。

 そして、出しておく本は「子どもの好みに合ったもの」であることがコツです。子どもたちが大好きな動画は、その視聴傾向から「おすすめ」をどんどん提案してきますよね。これを本で実践するイメージです。本が好きな子どもなら、自分が好きそうな本の「積読(つんどく)」(未読の本が積まれている状態)を見るだけでワクワクするかもしれませんね。

 このとき、つい勉強につながりそうな本を出しておきたくなるのですが、そこはがまんです。読書の習慣がつけば、そのような本も読むようになるでしょう。

――なるほど、さっそくやってみます! 好きそうなジャンルなら、少々難しめの本でも読んでくれそうです。

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「Yondemy」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る24歳。

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