――日本人は、パスポート保有率が約17%(2023年12月現在※)で、G7最下位です。

 たとえば、オーストラリア人は約53%です。アメリカ人は約50%、イギリス人は70%を上回っています。こうしてみると、日本人のパスポート保有率は少ない印象ですよね。

 小学生のお子さんなら、海外旅行に出かける場合、その多くは「家族といっしょ」であることが想像されます。もう少し成長すると一人で留学というケースもあるでしょうが、この年代は家族との行動が基本ですよね。そう考えると、海外旅行のタイミングとして小学生時代はベストかなと思います。お子さんだけでなく「家族」にとってかけがえのない体験となるでしょう。

 日本はとても治安のいい国です。オーストラリアもその点はファミリーも安心して楽しめます。ぜひ、ご家族で訪れてみてほしいですね。

――最後に、オーストラリアの最新情報を教えてください。

 オーストラリアは、移民が多いということもあり、複数の国の食文化のよいところを融合させたフュージョン料理がたくさんあり、食べ物もおいしいものが多いのです。親御さんにはワインもおすすめですよ。

 意外と知られていないのですが、コーヒーも有名。今、ワーキングホリデー制度を利用してバリスタの勉強のために日本から訪れる人が増えているのです。街中にはこだわりのコーヒー専門店がたくさんあって、みんなお気に入りのバリスタがいるお店で、仕事前にコーヒーを購入してから出勤します。

 旅行でいらした際は、ぜひオーストラリアのコーヒーも楽しんでみてください。お子さんには、エスプレッソマシンでミルクを淹れた「ベビー・チーノ」が大人気。カプチーノのカップに入って、かわいくておいしいですよ!

※出典:外務省 令和5年1月~12月旅券統計

(取材・文/三宅智佳)

○デレック・ベインズ/オーストラリア政府観光局 日本・韓国地区局長。20年以上カンタス航空に勤務。さまざまな部門での仕事を担当したのち、2020年にオーストラリア政府観光局に入局。高校生時代の留学をきっかけに日本の歴史や文化、経済なども学ぶ。日本語も堪能で、和食全般が大好き。隣はオーストラリア政府観光局のブランドアンバサダーであるカンガルーの「ルビー」。
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