小島よしお「やればいいじゃん」って、できなくて悩んでいる人からしたらちょっとつらい言葉だよなあ、って後から反省した。ポジティブも、相手に向けてしまうと刃（やいば）になることを実感したよ。で、そのときに何て答えたらよかったのかなあ、って考えていたんだけど、よしおもいろんな人を傷つけてしまった経験があって、そこから自分を少しずつ変えていった気がするんだ。
自分が理想とする人は自分と全く違う人のように見えるから、変化というのがヒーローショーのヒーローみたいな「変身！」ぐらいのものだと思っちゃうのかもしれない。だけど人の変化はそんな劇的なことはなくって。
テセウスの船って知っているかな？ 船があって、古くなるたびにひとつひとつの部品を新しいものに交換していったんだ。何年後かには、同じ船だけど全部の部品が入れ替わっているというお話だよ。人の変化ってそれに近いのかな、って思ったんだ。
よしおも、「やればいいじゃん」までに、そうはできない自分がいたことを思い出したよ。すごくすごく小さい変化を起こし続けて、やっと変わってきたな、って今になって実感する。ネガティブのなかにいいところをひとつだけ探すでもいい。小さい変化の積み重ねでやっと「変わったかな？」って思えると思うよ。
人間だけが笑える生き物
りのちゃんから「生きている意味」を聞かれてから、『笑う犬』（かつて、フジテレビ系列で放送されていたお笑いの番組だよ）の「生きてるって何だろ～生きてるってな～に」って歌詞が頭から離れない……。よしおの生きている意味って何だろうって考えてみたけど、特別なことはないかなあ。
というか、その時々で変わっているっていうのが答えかな。高校生のときはとにかくプロ野球選手になりたくてそのために生きていたし、芸人になってからは有名になるために生きていたし、それがかなったあとは消えないために、とか。生きている意味ってほどのことは考えていないけど、一個一個クリアして次の目標を見つけている感じかな。
NEXT一個一個の積み重ねしかない
