新たな学年がスタート! 子どもの学習環境を整えたいけれど、どうすればいいの? 狭くても大丈夫。リビング学習の空間の分け方や収納、導線、椅子の高さなど「モノ」目線から学習環境を整えるテクニックを、一級建築士のしかまのりこさんに聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids 2024年春号」(朝日新聞出版)からお届けします。

MENU 「空間分け」を徹底すると環境は整えられます 「小さな改善」が効果を大きく左右する

「空間分け」を徹底すると環境は整えられます

 個室、きょうだいと同じ部屋、リビング……。子どもの学習場所は、家庭によってさまざまです。

「作業に集中できる環境づくりのポイントは『この場所では、この作業をする』と空間をしっかり分けることです」と話すのは、一級建築士のしかまのりこさんです。子ども部屋のデザインやレイアウトも多数手掛けるしかまさん。

「お子さんが学習している部屋もよく拝見します。そこでいちばん多いお悩みが『片付かない』こと。これは、さまざまなものが入り交じってしまうケースがほとんどなのです」(しかまさん)

 たとえばリビング学習の場合。リビングのソファの上に洗濯物が置いてあったり、ごはんを食べるテーブルの上に子どもの教材が積んであったり。

「家具が、本来の目的以外に使われていることが多いのです。リビングは、その一カ所で『ごはんを食べる』『勉強する』『くつろぐ』『洗濯物をたたむ』など、いろいろなことが行われる場所。ですから、どうしても入り交じってしまうのです」

 これを解消するのが、空間を分けること。

「『この部屋ではなにとなにをするか』を明確にして、ひとつの空間を、さらに分けてみましょう。空間分けは、環境を改善する基本なのです」

 ほかの部屋も同様。「勉強ゾーン」「遊びゾーン」など空間を分けて決めることで、使う側の意識が変わってきます。

【機能ごとに空間を分ける】

 たとえば、リビング。食事やくつろぎ、勉強や仕事、洗濯物の片づけ……。「リビングをどのように使うか」を、まず家族で話し合いながら再確認しましょう。その後、空間を分けてみます。「狭くても大丈夫。まずはざっくりと、かんたんな見取り図を書いて、それを見ながら分けてみるとわかりやすいですよ」(しかまさん)

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AERA with Kids編集部
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