中学受験の成功のカギを握るのが、志望校選びです。わが子が6年間過ごす学校ですから、入学後や将来まで見据えて慎重に選びたいもの。志望校選びにはさまざまな視点がありますが、大学合格実績はひとつの指標になります。首都圏の中高一貫校のさまざまなランキングを紹介します。中学受験の学校選びの参考としてもご活用ください。

医学部は私立一貫校が強く、上位に女子校が多いのも特徴

 表は、首都圏の中高一貫校から、防衛医科大学校を含む全国公立大医学部と全私立大医学部の合格率ランキングだ。先行きが不透明な社会情勢の中で、成績上位者の医学部志望者が増加している。

 特に医学部人気が高いのが私立校だ。表を見ても公立校は1校も出てこない。私立中高の保護者に医師が多いことも関係しているようだ。

※表中の「国」は国立、「私」は私立、「公」は公立。2023年のデータ。合格者数は現役と浪人を合わせた人数。同じ合格率での順位の違いは、四捨五入前の小数第2位以下の数字の違いによる。データ協力/大学通信
※表中の「国」は国立、「私」は私立、「公」は公立。2023年のデータ。合格者数は現役と浪人を合わせた人数。同じ合格率での順位の違いは、四捨五入前の小数第2位以下の数字の違いによる。データ協力/大学通信
※表中の「国」は国立、「私」は私立、「公」は公立。2023年のデータ。合格者数は現役と浪人を合わせた人数。同じ合格率での順位の違いは、四捨五入前の小数第2位以下の数字の違いによる。データ協力/大学通信

 合格率トップは前年2位の桜蔭で84・4%、2位は前年トップの暁星で54・8%、3位が白百合学園、4位が巣鴨、5位が雙葉だった。トップ10に女子校が4校入る。理系志望者増加に加え、手に職をつけたいとの考えから医学部人気が高まっている。

 合格者数トップは桜蔭の195人で、前年比31人増。2位は豊島岡女子学園の142人、3位は海城の139人。国公立大でも桜蔭が60人でトップ、2位は海城、3位は開成。私立大のトップも桜蔭の135人、2位は豊島岡女子学園、3位が巣鴨だった。

 学校別に合格者の国公立大と私立大の内訳を見てみよう。トップの桜蔭は国公立大60人に対して私立大は135人、2位の暁星は国公立大13人に対して私立大73人、3位の白百合学園は国公立大5人に対して私立大81人だ。トップ30校のうち29校は私立大合格者のほうが多かった。

 その理由は医学部の偏在にある。東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)には国公立大の医学部は4校で、防衛医科大を加えても5校しかない。一方、私立大は16校あり、全私立大医学部31校の半数以上だ。首都圏で私立大医学部を目指す受験生が多いのも当然かもしれない。

(文/大学通信・大野香代子)

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大野香代子
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