4月10日、東京・明治記念館で、全国の書店員が選ぶ「本屋大賞2018」の発表会が開催され、小説家の辻村深月さんの『かがみの孤城』(ポプラ社)が大賞に輝きました。辻村さんの作品は過去に3度候補作品に選ばれ、今回初の大賞の授賞となりました。

 授賞式で辻村さんは、「もっと緊張するかと思いましたが、アットホームな気持ちで立つことができて嬉しいです。子供と、かつて子供だったすべての人に書きました。(今回)本屋大賞の1位になり、私が一人で誰かに向けて手を伸ばしたものを、その誰かを一緒に迎えにいきましょうというふうに、全国の書店員さんたちが、あたためて握り返してくださった結果だと思いました。本屋大賞は『バトン』だと思っています。私が書いたこの本を、今度は全国の手にとってくださる次の誰かに向けて、次の誰かを救いたいと思って、次の誰かにこの気持ちをつなげてくれたら嬉しいです」とコメント。

 本作に登場するのは、中学1年生のこころ。ある出来事を機に学校へ行けなくなり、いつも家で過ごしていました。ある日家に一人でいると、部屋の鏡が突然輝き始め、潜り抜けてみるとそこは城の中。さらに、似た境遇を持つ中学生6人の姿も。こころを含めた7人には、ひとつの課題が出され、戸惑いながらも少しずつ心を通い合わせていきますが......。

 辻村さんは、1980年、山梨県笛吹市出身。千葉大学教育学部卒。2004年に推理小説『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。その後も、推理小説のほか、家族や仕事などを題材にした多くの小説を手掛け、2009年には『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』が第142回直木三十五賞候補作品に選ばれると、同作品は翌2010年に第31回吉川英治文学新人賞候補にも選出されました。さらに、2014年に『島はぼくらと』が第11回本屋大賞候補作品に選ばれると、第12回には『ハケンアニメ!』、第13回には『朝が来る』がノミネートされました。

 本屋大賞は、出版業界活性化のため、全国の書店員が年に1度「一番売りたい本」を投票で選ぶもので、第15回目となる今回は「2016年12月1日〜2017年11月30日に刊行された日本のオリジナル小説」が対象となりました。1次投票には全国504書店から665人、2次投票には311書店から374人の参加がありました。

 なお、「本屋大賞2018」ノミネート作品10作品の順位は以下の通り。

1位『かがみの孤城』辻村深月/ポプラ社

2位『盤上の向日葵』柚月裕子/中央公論新社

3位『屍人荘の殺人』今村昌弘/東京創元社

4位『たゆたえども沈まず』原田マハ/幻冬舎

5位『AX アックス』伊坂幸太郎/KADOKAWA

6位『騙し絵の牙』塩田武士/KADOKAWA

7位『星の子』今村夏子/朝日新聞出版

8位『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人/実業之日本社

9位『百貨の魔法』村山早紀/ポプラ社

10位『キラキラ共和国』小川糸/幻冬舎

■本屋大賞

https://www.hontai.or.jp