Twitterでフォロワー数20万人以上を誇るラブホスタッフ上野さん。独特な深みのある回答が恋愛に悩む多くの人々に人気を博しています。



 恋愛コラムを数多く手掛ける傍ら、2015年からは『月刊コミックフラッパー』にて恋愛指南漫画『ラブホの上野さん』の原案を担当、最近では今年1月には本郷奏多さん主演でドラマ化(フジテレビ系)されるなど話題になりました。



 本書『ラブホの上野さんの恋愛相談2』でも、恋に悩める男女を応援しています。その中には、男性が恋愛において考えてしまいがちな点にも触れています。相談者の悩みはこちら。



 「私のようにまじめな男性が女性にモテなくて、軽薄で中身のない男ばかりがモテることに憤りを覚えます。私は大学生ですが、しっかりと講義にも出て勉強していますし、酒も飲まないし、タバコも喫いません。それなのにどうしてモテないのでしょうか? 私のまわりが男を見る目のない女ばっかりです。」(本書より)



 いわゆる"ちょっと悪い男やチャラい男がモテる"けれど、まじめな男性はモテないというジレンマ。上野さんはこれに対してこう切り込みます。



 「今回のご質問者さまのような『まじめな方』がモテない最大の理由はもしかしたら自分は『まじめな男』ではないのではないか? と疑問に思わないことではないでしょうか? そんな無責任で頑固で批判的な性格こそが、ご質問者さまが女性に好かれない最大の理由なのだと思います」(本書より)



 本書によると、チャラい男ばかりモテることに不公平を感じ愚痴を語っているだけで、なぜ「俺のどんな部分が悪いせいで、あの女性に好意を持たれないんだろう?」「あの一見チャラい男は、俺が気づいていないだけで、すごくまじめな一面があるのかもしれない。それをマネしてみよう」と考えないのか疑問を呈しています。つまり、「自分の理屈が正しい」という批判的で頑固な思考では、残念ながらモテないというのです。



 では、そうした「自分のことをまじめだ」と疑わない、いわば「まじめではない人間」と本当に「まじめな人間」の違いとは何なのでしょう。



 上野さんは「まじめを心のよりどころにしているかどうか」であるとしたうえで、前者が「まじめであることが目的になっている」、後者は「夢や希望のために手段としてまじめになっている」と区別。そして、こう結論づけます。



 「『まじめをよりどころ』にする方というのは、『自分はまじめである』ということにしか自信が持てない方が非常に多いのです。<中略>そして、もしその『まじめ』が何かの目的を達成するための手段ではなく、『まじめに思われたい』というものになってしまっていたら、そのまじめは捨ててしまった方がよいのではないかと私は思います。」(本書より)



 女性に見る目がないと不満を持つ気持ちも十分理解できます。とはいえ、「自分はまじめなのになぜ?」と責任を相手に転化するばかりではなく、時に自分を見つめ直す真摯な姿勢こそがモテる要素に大きく関わってくるといえそうです。