今季のドラマ視聴率好調の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)。星野源さんは、交際経験がない主人公・津崎平匡を演じ、契約結婚をしている森山みくり(新垣結衣さん)との初々しいラブコメが話題になっています。



 ネット上には「『逃げ恥』で星野源を好きになった」というユーザーが多くあらわれており、ファンがますます増加している星野さん。『芸能人寛容論』を著書にもつ武田砂鉄氏が、俳優だけでなく音楽家・文筆家としての顔をもつ星野さんのエピソードから素顔をあぶり出し、彼の魅力を紐解いています。



 本書によれば、対談集『星野源雑談集1』で、星野さんはみうらじゅんさんとの対談の際、「えー。草食系の星野源さんですが......みたいなこと言われると『殺す』って怒ってた」と語っており役柄とはことなり"肉食系"の様子。



 さらに、音楽フェスティバル「フジロック」では「『しっとりとした曲をやるのでカップルの人はセックスを始めてください。それで子供ができたら"源"って名前にしてください!』」(本書より)となかなかの"下ネタ"をかましているようです。



 ところが、こんな一面もみせます。音楽ファンの間では、フジロックの運営はスマッシュという会社が行っていると知られており、ミュージシャンたちは、ステージ上でスマッシュに感謝を述べる場面がよくあるそう。しかし、実際はホットスタッフ・プロモーション、 DOOBIEを含めた3社で、星野さんはそれを把握した謝辞を述べたといいます。



 「『サンキュー、スマッシュ!』は何度も聞いてきたが、三社を丁寧に並べるMCを聞いたのは初めてのことだった」(本書より)



 自分に素直で無邪気な面もありながら、抑えるところはしっかりと抑えている真摯な姿勢を兼ね備えた人物像が浮かび上がった星野さん。武田氏はこう指摘します。



 「自然体と丁寧は、混じり合いにくいが、相反しない。もしも『自然体+丁寧』という足し算を出したならば、その回答は『嫌われない』ではないか」(本書より)



 「嫌われない」からこそ、「好かれる」可能性を秘めており、彼を深く知れば知るほど熱狂的なファンとなり得るともいえそうです。『逃げ恥』をきっかけにファンになった人は、役柄とのギャップを知ったとしても、ますます好きになるかも!?