「服を着た外見には生き方や暮らしのセンスがあらわれています。どんな家で暮らし、どんなものを食べ、どんな仕事をして、どんな恋愛をし、どんな人生を歩んでいるのか。そこに迷いがあれば、服にも迷いが出てしまう」(本書より)



 このように述べるのは、パーソナルスタイリストとして15年間に渡り、2万人ものスタイリングを担当してきたという政近準子さん。政近さんは、服にまつわるさまざまな悩みに耳を傾けるうち、服にはその人自身があらわれているということ、そしてその服を変えることは、その人自身を変えることにも繋がるのだということに気が付いたのだといいます。



 そこで本書『服は、あなた。』では、服が人生を切り拓く手助けとなるよう、自らの経験から導き出したアドバイスが綴られていきます。



 たとえば、アラサー・アラフォー女性に向けたアドバイス。若いときのままの行動や服装では立ち行かなくなってきたときには、それをチャンスとみなし、後輩たちから人気を集める装いへとシフトチェンジすることを薦めます。



・肉付きが変わったからといって「隠す」を最重要視しない

・シャツはビシッとアイロンをかける。サイズは必ずジャストサイズ

・パンツスタイルのときはガードルの力を借りて、お尻に立体感を出す

・ 存在感のあるアクセサリーで胸元に華やかさをプラスする

・ 若者に流行っているアイテムにすぐに手を出さない

・ ペタンコ靴に甘んじない。筋肉を維持するためにもヒールを履いて颯爽と歩く



 上記のような点に気をつけると同時に、行動も服装も手抜きをしないことが重要。年齢を重ねれば重ねるほど、手抜きは老けて見える原因になってしまうのだといいます。



 そして、シャツにビシッとアイロンをかけるためにも、服を買う前に、もしまだ持っていないのであればアイロンや洋服ブラシを買いましょう。「自分で大切に整えた服を着ると、心にもゆとりが生まれ、不思議と着ていく先でもものごとがうまく運ぶもの」(本書より)だと指摘。また、そのゆとりこそが、着こなしの最後の着映えをも左右するのだといいます。



 仕事、恋愛、家庭......人生に関するさまざまな悩み。それらを好転させたい、現状を変えたいと思ったときには、まずは日々身に纏う"服"から見直してみてはいかがでしょうか。