宿泊サービスに特化したリーズナブルな"ビジネスホテル"、レストランや宴会場、ショッピングモールなどの施設サービスを備えた"シティホテル"、ラグジュアリーな"高級ホテル"と、多様なスタイルを持つホテルの数々。普段どのように利用することが多いでしょうか。



 宿泊することはもちろん、レストランやバー、ジムやプール、スパをはじめとして、ホテルにはさまざまな楽しみ方があるというのは、自らゼロからホテルを立ち上げ、最高級グランドホテルにまで引き上げた経歴をも持つ、伝説のホテルマン・窪山哲雄さん。本書『大人のためのホテルの使い方』では、そんな窪山さんがオススメする、ホテルの使い方、選び方のコツが綴られていきます。



 まずホテル選びの際、そのホテルの良し悪しを判断するには、ロビーを見ることが重要だといいます。ホテルの顔ともいわれるロビーにおいて、「配されたイスやテーブルといった家具や調度品などの種類やデザイン、色調に統一感があるかどうか」(本書より)といった点を確認することで、そのホテルの格やクオリティを判断できるのだそう。もしもロビーに漂う雰囲気が統一感に欠けているようであれば、サービスや対応も一貫性に欠ける場合が多いと指摘します。



 そしてホテルのなかでも、窪山さんがもっとも面白い場所だというのは"バー"。ホテルのバーでは、そのネットワークを使うことに醍醐味があるとか。なぜなら、ホテルのバーテンダーは、ホテル内の情報ネットワークに強い存在のひとりであるから。「バーテンダーはホテル内のネットワークのハブとなって、縦横無尽にサービスを作り出す存在」(本書より)であり、ホテルのグレードが高いほど、その存在感も高まるのだそうです。近くのオススメのレストランやマッサージの予約など、直接バーテンダーの仕事に関係のないことでも遠慮なく相談して大丈夫だといいます。



 さらに、ホテルで食事をとる場合、もっともオススメなのは朝食。朝食に力を入れているホテルは、サービスの質も高いことが多いのだそうですが、そのクオリティを見極めるときには、"ベーコン"に注目しましょう。

 

 もし朝食に出されるベーコンが、ピンク色をした脂身のないプレスされたもの(細かいくず肉などを寄せ集め、固められた成形肉)ではなく、脂身のしっかりとしたものであれば、その朝食は合格なのだといいます。



「朝食とホテルのレベルは連動しますから、出張や旅行でホテルを選ぶポイントの一つに、朝食のクオリティを入れるのはとても賢い方法です」(本書より)



 ホテルを最大限に楽しむために、知っておくと便利な裏技の数々。新たなホテルの魅力を発見できるはずです。