------具体的にはどのような内容が書かれているのでしょうか。



「マネジメント会社とは何か、音楽出版社とは何か、印税の仕組みとは何か、イベンターとは何か、といったように、ミュージシャンだけでなくスタッフさんの仕事について描かれており、それらに関する専門用語についても詳しく説明がされています。この本のなかには『ミュージシャンになれる人はどんな人か』について書かれている部分があるのですが、たとえばこのアーティストはこういう部分が素敵だからプロになったんだ、という紹介があります。そういう風に、普通に学生生活を送っていたら知らないようなことを紹介してくれる本ですね、これは」



------この本を読んで三浦さんはミュージシャンになろうと決めた感じですか?



「逆にですね、なれないなって思いましたね(笑)。ただこれ、この本の最後のページの方に『この本を読んだ方でミュージシャン志望の方は加茂さん宛にデモテープを送ってください』というような記載があったので、デモテープを本当に送ってみたんです。それで何日かしたらちゃんと返事が返ってきて。『今の三浦君の技量というか才能ではちょっと難しいと思います』って返事をもらいました(苦笑)。そういうのを含めて僕にとってかなり大事な本です。ミュージシャンになりたいと考えている人は1度読んだ方がいいと思います。自分が今どこを目指しているのかを客観的に知れると思いますし、ミュージシャンとその周りにはどういう仕事があるのかという基本的な知識も身に付けることができます。おすすめの一冊です」



------ありがとうございます。後編では、三浦さんが影響を受けた本について紹介します。お楽しみに。



<プロフィール>

三浦隆一 みうらりゅういち/青森県出身。ミュージシャン。3人組バンド「空想委員会」のボーカル、ギターを担当。2010年1月に現メンバーが加入し、音楽活動を本格的に開始。2011年12月にファーストミニアルバム『恋愛下手の作り方』でインディーズデビュー。2014年6月にファーストフルアルバム『種の起源』で念願のメジャーデビューを果たす。現在はライブ活動を中心に音楽活動を精力的に行っている。今年4月には、サードシングル「ビジョン/二重螺旋構造」を発売。「ビジョン」は、テレビアニメ「遊☆戯☆王ARC-V」のエンディングテーマに、「二重螺旋構造」は、映画『燐寸少女 マッチショウジョ』の主題歌に抜擢されるなど、今注目のバンドとして注目を浴びている。