蒸し蒸しする暑い日々が続き、今年もそろそろ"かき氷"が恋しくなる季節。今や一口にかき氷といっても、氷やシロップ、見た目など、お店ごとに趣向を凝らした多種多様なかき氷が見受けられ、専門店はもちろん、少し意外なお店でもかき氷を楽しむことができます。


 たとえば奈良県にある、柿の葉ずしの名店『平宗 法隆寺店』では、法隆寺にちなんだ"柿のかき氷"を提供しているそう。氷にかけられた、とろりと濃厚で鮮やかなオレンジ色をしたシロップは、奈良のブランド柿である富有柿の天日干しを使ったもの。ベースにかけられたヨーグルトレモンシロップが、スッキリと後味を整えてくれるそうです。


 あるいは、神戸出身の店主が作る明石焼とたこ焼きが評判の、東京・笹塚にある『神戸みなと屋』。このお店のもうひとつの名物が、かき氷。マロングラッセのような味わいの"くりみるく"、焼き芋とミルクをあわせたスイートポテトのような"おいも"、りんごのコンポートをシロップにした"りんごミルク"といったミルク系の氷、キウイやモモ、メロンといった旬の果物を使ったかき氷などが楽しめます。どちらも評判だというたこ焼きとかき氷、意外な組み合わせを試してみてはいかがでしょうか。


 また、かき氷にとって、氷と共に重要なのはシロップ。お店ごとに、このシロップにもこだわりが感じられますが、麻布十番にある『麻布野菜菓子』では、野菜のシロップが味わえます。


 ミニトマトの果肉がのった"ミニトマトのかき氷"、食用ほおずきを使ったトロピカルフルーツのような香りのほおずきソースのかかった"ほおずきのかき氷"をはじめ、"茄子とあずきのかき氷"、"セロリのかき氷"など一味違ったかき氷が提案されており、新たな野菜の美味しさにも出合うことができるといいます。


 大阪の『山口果物』では、注文を受けてから果物の皮をむいて作ってくれるという、果物屋ならではのシロップを。専門店の目利きによって、果物が一番おいしい状態のときシロップに仕上げるため、果物がそのままかき氷になったかのような味わいが楽しめるそう。一昨年には、アボガドのかき氷を大阪で初めて提供し話題になった『山口果物』。今年は新作として、ココナッツの実を器にしたココナッツのかき氷が登場します。店内でココナッツの実をカットし、新鮮な椰子果汁をミルクとあわせたオリジナルシロップと、ローストココナッツをトッピングした贅沢な一品となっています。


 本書『かきごおりすと vol.4』では、日本各地にあるオススメのかき氷の数々を紹介。王道の一品を楽しみたい方も、一味違った珍しい一品を味わってみたい方も、今年の夏の参考にしてみてはいかがでしょうか。