人間、中身が大事なのはもちろんのこと。しかしビジネスシーンにおいて、第一印象で相手の信頼を得るためには、相手に対して失礼のないスタイルも必要。スーツ、シャツ、コート、シューズ、時計、ネクタイ、バッグなどにもきちんと気を配ることが求められます。


 自らのファッションの哲学として"移り変わる流行のものより、普遍的な美しいものを""多くの粗悪なものより、少しの上質なものを"ということを念頭に置いているというのは、数々のファッション雑誌に携わり、現在ファッションディレクターとして活躍する干場義雅さん。


 本書『世界のエリートなら誰でも知っている お洒落の本質』では、トム・フォード氏、ジョルジオ・アルマーニ氏、ラルフ・ローレン氏をはじめとする、ファッション業界のトップたちと実際に接してきた豊かな経験をもとに、干場さんが導き出したスタイルの本質が綴られていきます。


 世界のどこでも恥ずかしくない、インターナショナルスタンダードを基本として考えた本質的にカッコいいスタイル。たとえば、スーツやジャケットを構成する要素は大きく、生地、型紙、仕立て、デザインの4つに分けられますが、なかでも重要なのは生地。干場さんはスーツの生地を選ぶ際には、打ち込みがしっかりとした生地、つまり織りの密度が高い生地を選ぶといいます。


 織りの密度が高いということは、それだけ多くの糸を使っているということ。そのためスラックスを履いたときに膝の部分だけが伸びてしまう、いわゆる"膝が抜ける"心配も少なく、折り目もしっかりと入るそう。結果的に美しくスーツを着ることに繋がるのだといいます。


 この"美しくスーツを着る"という点でいえば、スーツを着こなすバランスがいちばん美しく見えるのは身長180cm、8頭身や7.5頭身の方。しかし日本人の平均身長は、20代〜40代の男性で171cm後半。そのためスーツを着こなそうとするならば、少し頭身を上げるように見せなければなりません。

 そこで、6頭身で少し自分の顔が大きいと感じている方は、顔幅の3倍くらいの肩幅のジャケットを選んでみてはいかがでしょうか。顔幅の3倍ほどの比率に肩幅を設定することで、目の錯覚か、不思議と顔の大きさが気にならなく見えるのだといいます。

実際、イギリス出身の俳優ケーリー・グラント氏も顔が大きかったために、肩幅のあるスーツを好んで着ていたという説があるそうです。


 自分の体型を理解したうえで、本書で提案されている干場さんオススメのブランドや着こなすポイントを参考にしながら、自身の魅力を引き立たせてくれる品を選び、世界で通用する自らのスタイルの確立を。