文中の「河野」「鳩山」とは、それぞれ河野一郎氏、鳩山一郎氏のこと。1956年、鳩山氏は日ソ共同宣言調印の帰途でハワイに立ち寄っていました。一方、河野氏は「ポスト鳩山」に岸信介氏を推しており、引退工作を中曽根氏に指示したというわけです。



 奇しくも、中曽根氏自身も2003年に、小泉純一郎首相、安倍晋三自民党幹事長(ともに当時)から「引退勧告」を言い渡されています。まさに「歴史は繰り返す」といえるでしょう。



 同書では、2003年の公認取り消しに中曽根氏が激怒、無所属からの出馬も検討したものの後援会の説得により断念した経緯が記され、そして2年前の誕生会「九回目の年男を祝う会」を描く場面で締められます。



 中曽根氏は、今年の5月27日に98歳の誕生日を迎えます。現在の日本をどのように見ているのか、本人の言葉も聞いてみたいところです。