今年も桜の季節が巡ってきました。寺社仏閣や街角に佇む桜を愛でるため、京都の街もまた、いつもにも増す観光客で賑わいます。しかし、なかには花より団子という方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。京都には、そんな方々も満足することができる、たくさんの和菓子、洋菓子の名店が存在します。



 桜の木々が連なる祇園・白川沿い。新橋の畔には、吉井勇の歌碑と枝垂桜を見ることができますが、その斜め向かいには甘味処"ぎをん小森"が。戦後から続くお茶屋さんを1998年に甘味処にリニューアルしたという、ぎおん小森。ここのお菓子は、厳選した素材を最適な調理法で毎日手作りしているといいます。小豆は十勝産の大納言、あんみつには吉野葛を用い、葛あんは注文を受けてから作るそう。そしてここでの一番人気は、本わらび粉と砂糖、水だけで作る"わらびもち"。



 甲斐みのりさん著『京都おやつ旅』では、同店のわらびもちについてこう綴られています。



「わらびもちはプレーンと抹茶の2種類で、たっぷりとかかったきなこの上から、好みで風味豊かな黒蜜をかけて味わいます。このわらびもちを使った『わらびもちパフェ』や『わらびもちぜんざい』もあり、リピーターに好評です。ほかには『お菓子に使うのはもったいない』と茶舗からもいわれるほど上質な抹茶を使った抹茶菓子も。ゼリーやババロアなどもあって、海外からの観光客にも喜ばれています」

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