NGT48が新潟の街を再生する!? 経済学者が語るその根拠とは?

BOOKSTAND

 このままでは全国896の自治体が消滅する――そんな衝撃的なデータを突きつけ、17万部を超えるベストセラーとなった元岩手県知事、元総務相の増田寛也さん著『地方消滅』。地方に住んでいる人にとっては、将来的な話ではなく現時点でさえ「商店の数が少なくなった」「医療・福祉サービスを受けるにも遠くまで行かなければならない」などといった実体験をお持ちだと思います。



 そんな中、地方創生の起爆剤となり得るのは"アイドル"であると語るのが『ご当地アイドルの経済学』著者である田中秀臣さん。一見、奇抜な意見にも感じられますが、田中さんは今年1月に行われた「NGT48」(新潟市に劇場を持つAKBグループの1つ)旗揚げ公演を取材した上で、次のような経済効果があると解説します。



「『地方再生は市場原理に則って活動する民間資本が中心となって行わなければならない』というのが経済学者としての私のスタンスであり、アイドル活用も地方再生の方法論のひとつです。(中略)新潟市の中心部で民間企業が主導する複合商業施設に全国区の人気と集客力が期待できるNGT48が拠点を設けて活動を始めることで、こうした空洞化現象を逆転する可能性は十分にあるでしょう」(本書より)



 なぜ、そう言い切れるのか? 交通インフラが発達することによって、地方の人々が大都市に吸い取られてしまう「ストロー効果」が知られていますが、田中さんの論拠はNGT48の存在によって新潟で「逆ストロー効果」、すなわち都市部の人を呼びこむことができるというところにあります。



「NGT48にとってとくに有利と考えられるのは東京と時間的に近いことです。新幹線を使えば東京駅から新潟駅まで二時間ちょっと。高速バスも出ていて、それだと五時間半ほどです。この時間距離の短さによって、新潟では首都圏や北関東のAKB48グループのファンを呼び寄せることが可能です」(本書より)



「というのも、現在、秋葉原のAKB48劇場は観劇希望者の数に対して容量が完全に不足しており、『会いに行けるアイドル』というキャッチコピーとは裏腹に、よほど根気よく応募し続けないかぎり、ファンは生でAKB48のメンバーを見ることができません。ところが、NGT48であれば、地元の人だけでは劇場が連日満席とはいかないはずですから、地域外のファンにとってもチケット入手のチャンスが高くなるわけです」(本書より)



 もちろん、芸能は芸の中身があってこそ、人々の心に響くもの。NGT48のメンバーが歌やダンス、演技の腕を磨き、より多くの人々のハートを掴んだときに、「地方都市×アイドル」というユニークなシナジー効果が生まれるといえるでしょう。

続きを読む

この記事にコメントをする

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック