どういうわけか、ネットにおける「ねこ」の存在は特別のものがあるようです。事実、爆発的な人気を誇るねこ動画や、インスタグラムなどでたくさんの人間に支持されているSNSねこも多数存在しています。



 なぜ、ねこがネットで受けるのか疑問に思うのは日本人だけではないようで、米ニューヨークにある博物館「New York's Museum of Moving Image」では、「How Cats Took Over the Internet(いかにしてねこはネット界を支配したか)」と題する展示を開催中。ネットで人気者になったねこの動画やセレブのねこたちの歴史をひもとき、その現象を検証しています。



 ねこはネットだけにとどまらず、今や出版業界の救世主にまでなりそうな勢い。昨年12月末に発売された『ねこ自身』は女性週刊誌『女性自身』が発行した、丸ごと一冊ねこだけを特集したムック。アマゾンの在庫が発売当初ゼロになり、あわてて増刷を決めたのだとか。"雑誌が売れない"昨今の状況を考えると、約1か月で発売部数が10万部目前というのは異例のことといえるでしょう。



 このねこ本の特徴は、週刊誌特有の"ごった煮感"があること。話題の女優ねこやSNSの人気ねこも抑えつつ、子どもを次から次へ産んでしまう「のらねこ」の問題や、東日本大震災で人間と一緒に避難できず、福島第一原発の周辺で置き去りになったねこのその後についてのレポートなど、社会的な問題にも目を向けています。また、袋とじで、タレント・中川翔子さんの飼いねこ「マミタス」のセクシーショットも披露。こうやって硬軟織り交ぜているところに、ふと「雑誌のいいところはこういうところだったな」と気づく人も少なくないかもしれません。



 昨年6月に女性誌『anan』も45年の歴史のなか、初めてねこ特集号を発行。これまた売り切れ店続出で、2月17日発売で早くも2回目のねこ号を刊行する予定です。もしや、ネット界だけでなく雑誌界を盛り上げるのもニャンコたち? これからもねこ本ブームは続きそうです。