2月2日、覚せい剤所持の現行犯で逮捕された元プロ野球選手の清原和博容疑者。彼は逮捕前の1月11日、ヤフオクドームで開催されたイベント「名球会ベースボールフェスティバル 2016」に出場していました。このとき、テレビ各局は清原容疑者が自身の携帯電話を使い、野茂英雄投手のトルネード投法を撮影したシーンを放送。それを見た人は、平成の名勝負とされる「清原vs.野茂」を思い出したかもしれません。



 数々の名勝負を繰り広げた両者。実は、野茂投手がプロ入り後、初めて三振を奪った相手こそ、清原容疑者でした。



 書籍『近鉄バファローズの時代』には、西武ライオンズを相手とした野茂投手のデビュー戦について次のように記されています。



「初回、先頭の辻発彦にフォアボール。二番の平野謙の送りバントは自らがファンブルし、三番の秋山幸二にまたもフォアボール......。ノーヒットでノーアウト満塁のピンチを迎え、バッターボックスには四番の清原和博。カウントは2−1(註・当時のカウント方法で2ストライク、1ボール)、3球ともすべてストレートだ。そして4球目。野茂はフォークではなく、またしてもストレートを投げ込む。ググッと手元で伸びたボールに対し、清原のバットは大きく空を切った」



 野茂投手は、清原容疑者との最初の対戦で、4球すべて直球を選択。後にアメリカへ渡り、メジャーリーガーをも打ち取ったフォークボールを、なぜこのときは投げなかったのでしょうか?



 その理由として、野茂投手はこうコメントしています。

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