言葉が円滑に発音できない吃音(きつおん)症。100人に1人の割合で存在し、「ぼぼぼく」のように言葉を繰り返す「連発」、「ぼぉーく」のように言葉を引き伸ばす「伸発」、「.........ぼく」のように言葉が詰まる「難発」、の3種類が代表的な症状です。いずれも発症後3年で約7割の子どもが自然に回復すると言われていますが、原因や治療法はまだ確立しておらず、成人後も症状が続く人も存在します。



 さて、みなさんは自分の周囲で「ぼぼぼくね」と、うまく話せない子どもを目にしたとき、母親に対して、以下のような言葉をかけてしまっていないでしょうか?



"母親の愛情が足りないんじゃないの"

"かわいそうだから、早くなんとかしてあげたら"

"厳しいしつけのせいでは?"



 実は、吃音のある子の母親たちは周囲の無理解に傷つくことも多く、ママ友や義両親、ときには教育関係者からさえ、心ない言葉をかけられて、自分を責めてしまうことも少なくありません。



 そんな悩めるママたちにおススメしたいのが、吃音ドクター・菊池良和(きくち よしかず)さんの最新刊『子どもの吃音 ママ応援BOOK』。



 自身が吃音の当事者であり支援者でもある菊池さんは、これまでにも『ボクは吃音ドクターです。』(毎日新聞社刊)、『吃音のリスクマネジメント――備えあれば憂いなし』(学苑社刊)、『健康ライブラリー  吃音のことがよくわかる本』(講談社刊)などの著書を多数執筆。吃音に対する偏見や誤解がいまだに根強いことを指摘し、吃音の改善のためには、周囲が正しい知識を身に着け、適切な支援を行うことが必要だと述べ、啓発に尽力しています。

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