"もつ""つかむ""にぎる""むすぶ""ひねる"と、私たちは日々"手"をさまざまに動かしながら生活を送っています。実際、大脳の領域の約3分の1は、この"手"をコントロールするために使われているといいます。



 なかでも特に"親ゆび"は自由度が高いため、脳と密接に結びつき、指令を受け止め実行する役割を担っているそうです。



 認知症専門医である長谷川嘉哉さんは自著『親ゆびを刺激すると脳がたちまち若返りだす!』で、「親ゆびを刺激することこそが、脳を活性化し、血流を上げ、若返らせる」ことに繋がると指摘。その上で、座ったままで簡単にできる体操"親ゆび刺激法"の数々を紹介していきます。



 そのひとつが"親ゆびタッピング刺激法"。これは、両手同時に、親ゆびの腹と、人差し指の腹、中指の腹、薬指の腹、小指の腹を順番にくっつけていくという体操で、5往復を1セットとしてリズミカルに行うことにより、脳全体の血流が改善されるそうです。



① イスに座り、背すじを伸ばしてわきを締め、ひじをわき腹につけ、両手のひらを正面に向け、パーの形に開く



② 親ゆびの腹と人差し指の腹、中指の腹、薬指の腹、小指の腹を順番にタッチする(タッピング)



③ 次に、親ゆびの腹と小指の腹、薬指の腹、中指の腹、人差し指の腹をタッチさせ、1往復。両手同時に、5往復する



 両手同時にうまくいかない場合は、片手ずつでも良いそうです。



 次に、少し難易度が高い"ピンピン刺激法"。左右のこぶしをにぎりながら、親ゆびと小指を交互に立てていく体操です。



① イスに座って背すじを伸ばし、わきを締め、ひじをわき腹につけ、両手をにぎる



② 次に、右手は親ゆびを、左手は小指をピンと立てる



③ 次にいったん両手をグーにする



④ 今度は逆に、右手は小指を、左手は親ゆびをピンと立てる。これで1セット



⑤ 自分のできるペースで、10セット行う



 左右の動きが異なる"ピンピン刺激法"。慣れてきたならば、できる限り親ゆびと小指をきれいに伸ばすように意識すると、より効果的。



 特別な道具も必要なく、空いた時間に気軽に行うことのできる"親ゆび刺激法"の数々。脳の老化を食い止め、ボケ予防のためにも、日頃から実践してみてはいかがでしょうか。