みなさんは"耳鳴り"に悩まされてはいないでしょうか。高音、低音そして耳閉感。気になり出すと不快で仕方がない耳鳴り。慢性的な耳鳴りの大きな原因は、睡眠不足や体と心のストレスによって、自律神経の機能が低下することにあるそうです。

 耳鳴りで悩む多くの患者さんを診察してきた石井正則さんは、本書『耳鳴りがスッキリする呼吸がわかった』のなかで、耳鳴りを低減させるための呼吸法や自律神経の整え方、ストレスをコントロールする生活法を伝授。

 たとえば耳鳴りを低減させるための呼吸法の一つとして、胸式呼吸ではなく"腹式呼吸"を試みることを提言しています。

「耳閉感や低音性の耳鳴りの増悪を呼吸で軽減するには、横隔膜をいかに大きくゆっくりと動かせるかが重要になります。というのも、横隔膜がゆっくりと動いて吐くことで副交感神経が働き、自律神経のバランスが安定化し、体も心も本来の働きを取り戻すことができるからです。浅い胸式呼吸では横隔膜が十分に使われず自律神経も不安定になるのです」(本書より)

 また、自律神経の乱れを防ぎ、耳鳴りを引き起こさないためにも、日常生活において"6つのS"を排除することが大事だと石井さんは説きます。その6つのSとは、タバコ(Smoke)、塩分(Salt)、不眠(Sleepless)、闘争心(Struggle)、焦り(Speed)、ストレス(Stress)。それぞれの理由について、本書のなかで次のように説明しています。


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