普段ビジネスの場において、身の回りのものや、身につけるものの"色"に意識を向けているでしょうか。



 営業効率があがる色、初対面の相手に良い印象を与える色、モチベーションをあげる色、お詫びをしに行くときの色......など、さまざまな場面に応じ、洋服や持ち物の"色"を工夫するだけで、相手やその場の雰囲気に良い影響を与え、物事を上手く運ぶことができるようになるのだといいます。



"カラーキュレーター"の肩書きを持つ七江亜紀さんによる本書『オレンジこそ最強の色である』は、さまざまなビジネスシーンに応じた、色の使い分け方を教えてくれる一冊。



 たとえば、会議の場においても色は重要。企画会議、戦略会議、決算会議、役員会議など、一口に会議といっても多くの種類がありますが、七江さんによると、それぞれにふさわしい色があるそう。



 企画会議のような、アイディアを出さなくてはならないときにとり入れたいのは、明るくて元気な色、気持ちを解放的にしてくれる色である"黄色"。黄色のコースターを用意したり、グレープフルーツジュースを透明なコップに入れて配ってみると良いそうです。



 一方、決算会議のような数字を扱う会議では、冷静な判断をするためにも、気持ちをクールダウンさせる色である"青色"を。青でも明るい青ではなく、紺に近いような暗くて濃い青が良いそうです。資料を留めているクリップの色を青で統一したり、ホワイトボードに書くペンの色を青で統一してみてはいかがでしょうか。



 その他にも本書では、月曜の朝、仕事に行くテンションが上がらないときにオススメの色も紹介されています。月曜の朝、気持ちよく仕事に向かうためには、日曜の過ごし方も大切。なかでも日曜の夜には、穏やかに過ごすために"緑色"に触れる時間を増やすことをすすめています。



「リビングの片隅に観葉植物を置いたり、コーヒーをやめて緑茶を飲んでみたり、夕食には緑がいっぱいの野菜メインの料理を食べてみたりと、緑に触れる時間を増やしてみてください」(本書より)



 そして、月曜の朝には"赤色"を。日曜の夜、寝る前に赤いスリッパをベッドの横に置いておき、翌朝起きたらそれを履くことからはじめ、赤いマグカップでコーヒーを飲んだりと、出かける直前まで赤と一緒に過ごすことが重要なのだそうです。



 ちなみに、時間に余裕のある方は、少しトーンを落とした"オレンジ色"を。出勤途中で、たとえばタリーズコーヒーのようにオレンジ色を多く使用した空間に少しの時間、身を置くことでも、仕事への準備態勢に入っていけるとのこと。



 さまざまなビジネスシーンにおいて使い分けたい"色"の効用。ビジネスを円滑にすすめるための鍵が潜んでいるかもしれません。