秋の味覚はさまざまですが、フルーツもまた、りんごに梨、ぶどうに柿と、旬のものがたくさんあります。さらに、りんごと一口にいっても、ふじ、つがる、ジョナゴールド、シナノゴールド、シナノスイート、陸奥、王林、秋映、紅玉......と、品種はさまざま。具体的にどのような違いがあるのか、いまいちよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。



 そこで本書『厳選フルーツ手帖』では、りんご、もも、みかん、いちご、メロン、ぶどう、バナナをはじめとするフルーツ、それぞれの品種の基本情報や特徴を説明。それらフルーツを使ったスイーツの紹介やカッティング方法、フルーツにまつわるトリビアまで記載されていきます。



 真夏の暑さを越した今の季節、フルーツ売り場に足を運んでみると、先日までマンゴーや桃が中心に並べられた風景はもう見られず、ぶどう、梨、西洋なしのオーロラなどが多くその姿をみせています。



 なかでも一粒食べ出すと、もう一粒と止まらなくなってしまう経験をお持ちの方も多いであろうぶどうは、一房何万円とするものも。



 果皮の色によって黒系、赤系、緑系の3種類に大別され、巨峰、ピオーネ、デラウェア、シャインマスカット、さらには皮ごと食べられるナガノパープル......と、多くの品種のあるふどうですが、日本で本格的に栽培されるようになったのは、明治時代に入ってから。



 ぶどうの皮には、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、アントシアニンが多く含まれており、視力回復やがん予防、動脈硬化予防が期待できるそう。また、ブドウ糖や果糖、エネルギー代謝を促すビタミンB1も含まれているため、疲労回復にも効果があります。



 そして、ぶどうのなかでも最も多く栽培されているのは、やはり巨峰。しかし巨峰というのは商標名であり、正式な品種名は「石原センテニアル」というのだそうです。



「静岡県の大井上康氏の育成品種で、1942年に誕生。馴染みのある『巨峰』(富士山を意味する)は商標名で、正式な品種名は『石原センテニアル』という。現在、最も栽培面積が多い黒系の大粒種。果皮は濃い紫黒色、果肉は淡い緑色。しっかりした果肉と安定した甘さ。さらに果皮は果肉からはがれやすく、食べやすいことも人気で黒系ぶどうの代表格にもなっている」(本書より)



 ぶどうは、果実に白い粉(ブルーム)がしっかり付着しているもの、粒に張りがあるもの、軸がしっかりしているもの、全体の色づきが均一なものほど新鮮なので、選ぶ際のポイントとしてみるといいかもしれません。



 食欲の秋。本書を参考に、秋のフルーツを楽しんでみてはいかがでしょうか。