「夫が話を聞いてくれない......もう私に飽きてしまったのだろうか」

「妻の話が長い......どうして女性はいつも話が長いのだろうか」



 夫婦間での会話に関する「すれ違い」は、よく聞かれる悩み。なぜ、夫婦間ではこうしたギャップが生まれるのでしょうか。今回は、循環器科専門医の石蔵文信さん著『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』を元に、"男女の会話の差"と、その解消法を紹介したいと思います。同書は、特に会話が長い妻に対する上手な付き合い方をアドバイスしているので、そんな奥さんに悩んでいる男性の方は必読です。



 そもそも、男女では会話の「量」が違います。同書で紹介されている米メリーランド大学の研究結果によると、男性が1日に発する単語数は平均7,000語。一方、女性の場合は平均20,000語――およそ3倍もの単語数を発しているといいます。また、女性の一日平均20,000語のおしゃべりに関して、石蔵さんは「女性のストレス解消にも繫がっている」(同書より)と指摘。さらに、女性は1日に6000語以下しか話せないと、脳がストレスを感じやすくなるとも。



 男女間のギャップは会話の量だけではありません。まず男性は一般的に、有益な会話――議論をして問題を解決したり、新しい知識や情報を得るような会話――を好む傾向があると言われています。男性は男性なりにこういったテーマで会話が白熱することもあるのですが、総じて女性のおしゃべり量にはかないません。



 一方、女性は男性の有益な会話よりも、「共感」を大切にすると言われています。石蔵さんによると、女性は自身の話に共感してくれる人を、「良き理解者」と思う傾向があるとのこと。つまり、意見を交わしたり、明確な回答を示すより、共感する(姿勢を見せる)ことが大切だというのです。



 ただ、そこで頷いてばかりいては、「夫が話を聞いてくれない」となってしまいがち。そこで石蔵さんは、「オウム返し」を薦めます。



「相手の発言のキーワードや言葉尻を、そのまままくり返して言うことによって、相手は『私の話を聞いてくれている』『私の言いたいことが伝わっている』という安心感を得られる」(同書より)



 何だか自分なりの答えを言っていないようで、手を抜いている感じがするかもしれませんが、女性にとって大切なのは「回答」ではなく「共感」。奥さんとの会話に何かしら問題を抱えている男性の皆さん、「オウム返し」を実際に使ってみてはいかがでしょうか。思っている以上の効果があるかもしれませんよ。