3月7日より大ヒット上映中の映画『ソロモンの偽証 前篇・事件』。

4月11日からは『ソロモンの偽証 後篇・裁判』も劇場公開される予定です。



 同作の原作は、直木賞作家の宮部みゆきさんによる同名小説で、シリーズ累計310万部を突破した大作ミステリー。同書を刊行している新潮社では、映画発表のタイミングに合わせて文庫版を刊行。最終巻(6巻)には、宮部さんが文庫版のために新たに書き下ろした中編「負の方程式」も収録しています。



 作品の舞台設定は、バブル崩壊後の余熱も残る1990年。クリスマスイブに中学2年生の男子生徒が亡くなるところから始まります。翌91年、亡くなった生徒と同級生だった少女は、真相解明のために"学校内裁判"を起こし、事件の核心に迫っていく......というストーリー。なんといっても、当事者である生徒たちが自身の手で行う"学校内裁判"が特徴となっています。



 さて、作品のタイトルに使われている「ソロモン」とは何なのか気になる方も多いはず。この「ソロモン」とは、旧約聖書に登場する、古代イスラエルの賢王ソロモンのこと。神から英知を授かった賢王が「偽証」、つまりウソをついているとは、なんとも意味深な言葉です。



 これに対して、宮部さんは「最も知恵あるものが嘘をついている。最も権力を持つものが嘘をついている。この場合は学校組織とか、社会がと言ってもいいかもしれません。あるいは、最も正しいことをしようとするものが嘘をついている、ということでしょう」(新潮社サイトより)と答えています。その意味がなんなのか......是非、ご自身でご確認いただければと思います。



 さて、『ソロモンの偽証』は、宮部さんが手がけてきたものの中で、一番長い作品。10年がかりで書き上げており、宮部さん本人も「この10年、私はずっとこの作品の中に『留年』していました。やっと卒業です。嬉しいけど、淋しい。自分のうしろでゆっくりと門が閉じてゆくのを見つめているような気持ちです」(新潮社『ソロモンの偽証』公式サイトより)と綴っています。



 そんな作家・宮部みゆきさんの「特別な作品」が現在、新潮社の「ワタシの一行」アワードの対象作品に選ばれています。「ワタシの一行」は、同社が行っている本の中からお気に入りの一行を探すという新しい本の楽しみ方。SNSと連携し、読み手各自の心に刺さった一行をシェアすることで、さらにその言葉の重み、味わいを共有しようという試みです。



 今回、『ソロモンの偽証』が「ワタシの一行」アワードのテーマに選ばれたことで、ステキな言葉が新たに"発掘"されるかもしれません。それを発掘するのはアナタかも......宮部ファン、いや本好きの方は、この機会に『ソロモンの偽証』を一読(再読?)の上、心に響く一行を選んでみては?



 なお、映画後篇の公開を前に、主演・藤野涼子さんが原作から選び出した一行とコメントも、「ワタシの一行」facebookページで紹介されています。果たして、藤野さんは、どんな一行を選んだのでしょうか。気になる方はこちらも是非チェックしてみてください。





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