出世したいのになかなか出世できない。そう悩んでいる人は少なくないかもしれません。そういう人は、出世できない理由を、他人や運のせいにしていないでしょうか。実は出世しない理由の多くは自身にあるのです。



 本書『出世の教科書』の著者・千田琢哉さんは、長年、人事畑で生きてきた採用担当者や、様々な組織に入り込んできた経営コンサルタントが、異口同音に主張する"出世に関する事実"があると言います。



 それは、「人の外見の派手さと仕事の能力は、およそ反比例する」ということ。世の中では第一印象が大切だという教えがありますが、見た目が派手な服装で虚勢を張ってしまうと、逆に相手に自信の無さが伝わってしまうというのです。



「多くの人が勘違いしている『第一印象が大切』の真意はこうだ。第一印象では、いかに相手を威嚇するかではなく、いかに相手に気を遣わせないようにするかに注力すべきだということだ。ビジネスとは服装を派手にするものではなく、実績を派手にするものだ。実績を派手にする人は、いつもシンプルで記憶に残らないくらいの服装だった」(同書より)



 服の印象よりも仕事の印象を残す。もし、あなたが派手な服装のわりに控えめな実績しか残せていなければ、今一度、その姿勢を改めてみる必要があるでしょう。



 また同書では、出世をするための近道として「直属の上司を出世させること」を条件に挙げます。それどころから千田さんは、「綺麗事を抜きにすれば、あなたの仕事は上司を出世させるために存在すると考えていい」(同書より)とまで言い切ります。



「上司が自分の手柄を横取りしてしまうのは、100%あなたの責任だ。あなたが手柄を与えないから、上司が痺れを切らして横取りするのだ。上司に横取りさせないためには、先にあなたから上司に手柄を与えてしまうことだ。心配しなくても、あなたが上司に手柄を与えたという事実を周囲は完璧に把握している」(同書より)



 つまり、出世する人は、手柄を上司に譲り続けて最後に際立つことができる人と言えるかもしません。真剣に出世を狙っている皆さん、この"近道の鉄則"をくれぐれも覚えておいてくださいね。