昨年7月12日、自身の女性器の3Dプリンター用データを配布し、わいせつ物頒布等罪違反の疑いで逮捕された漫画家・ろくでなし子さん。



 ろくでなし子さんは、以前から女性器をモチーフに"デコまん"というポップアート作品を制作しており、2013年には、自身の女性器を3Dスキャンしたカヤック「マンボート」を制作するプロジェクトに、ネット上で出資を募っていました。その際に、一定額以上の出資者に対して、女性器の3Dデータをメールで送信したことが、罪に問われたのです。



 そして同年12月3日には、前回に引き続き3Dデータ配布に対してと、新たに、わいせつ物公然陳列罪も加わって、2回目の逮捕となりました。これは、"デコまん"を展示したことに対して、わいせつ物公然陳列罪が適用されたものです。



 また今回は、"デコまん"を展示していた女性向けアダルトグッズショップのオーナー、北原みのりさんまでもが逮捕される事態に。「芸術とわいせつ」で、メディアの注目の的となった今回の騒動ですが、そもそも、ろくでなし子さんが制作している"デコまん"とは何ぞや? と疑問に思った方も多かったのはないでしょうか。



 ろくでなし子さんの著書『デコまん アソコ整形漫画家が奇妙なアートを作った理由』によれば、"デコまん"とは、「自らの女性器を型どりデコレーションするアート」で、略して"デコまん"。歯科で歯の型を取るときに使う「アルギン酸塩印象材」を股間に当てて型を取り、型に石膏を流し込んで作成し、出来上がったものにヒョウ柄などの模様を着けたり、ラインストーンを貼ったりと、さまざまな装飾を施したものだそうです。



 実は、もともと容姿および女性器に強い劣等感を感じており、なんと自身の女性器の整形手術を受ける、という選択までしていたろくでなし子さん。しかし、自身の女性器を作品にしたことをきっかけに、コンプレックスもなくなり、価値観を見直すことができたと告白。また"デコまん"は、「女性の性の解放をうながす画期的な活動になると思う」と述べています。



 本書の巻末では、お菓子やチョコレートに似せた「スイーツまん」のような可愛らしい作品や、ジオラマ状にした「ジオラまん」のような多様なバリエーションを、カラー写真で紹介しています。これらのろくでなし子さんの作品が、"わいせつ"に該当するのかどうか意見が分かれるところだと思いますが、気になる方は、ぜひ自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか。



【関連リンク】

ろくでなし子さんブログ

「マンガ家・ろくでなし子」

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