日本のインターネット上で人気を博している「テキサス親父」ことトニー・マラーノ氏。動画投稿サイトYouTubeなどで「日本がいかに素晴らしい国か」を訴え続けることで、人気となった彼ですが、新著『テキサス親父の大正論』の中で、自らのルーツについて語っています。



 マラーノ氏は、1949年にアメリカのコネチカット州で生まれ、ニューヨークのブルックリン区で育ったイタリア系アメリカ人。ニューヨーク州立大学で歴史学を専攻した後、米国内最大手の電話会社に就職しました。その後、70年代後期に、休暇で初めて訪れたテキサスの地を気に入り、移住を決意。勤めていた電話会社に転勤願いを出し、30歳の時に移住。それ以降、ずっとテキサス在住です。



 05年に勤めていた電話会社を定年退職した後、彼は余暇の一環として新聞への投書を始めました。しかし、重要な話題に関する意見が採用されないなど「メディアの情報発信の基準」に疑問を抱き、個人で意見を世界に発信していくことを決意。YouTubeに自らのチャンネル「プロパガンダ・バスター」を開設し、動画配信をスタートさせたのです。



 当初は、アメリカの政治に関する動画を中心に配信していましたが、反捕鯨団体「シー・シェパード」を批判し、日本を擁護する動画を掲載したところ、それが一部、日本のネットユーザーの目に留まり拡散。これをきっかけに、日本のネット上で注目を浴びる存在となりました。



 それ以降、シー・シェパードやとかく日本に厳しい態度を取る韓国・中国に対し、客観的資料をもとに批判し続け、一方で日本国内での講演会や執筆活動なども積極的に行っています。日本だからいいものの、同じことを韓国や中国で行ったらどうなるでしょうか。産経新聞ソウル全支局長の「あの記事」ですら起訴されたのですから、推して知るべしでしょう。

 

 ちなみに彼がそこまでして日本を擁護するのは単純に「日本が好きだから」だそうです。



 同書の終章「だから俺は日本が好きなんだ!」では、日本人の「誠実さ」や「他人に対する思いやり」、「他人のための自己犠牲」の精神に心を打たれことをこれでもかと告白しています。そこまで褒められると日本人としても、「いや、そんなに褒められるほど立派じゃないんですが」と言いたくなるほど。ただ、そういった"控えめな言葉"を聞いたら、おそらく彼はますます日本人のことが好きになるのかもしれません。