先月9月27日、芸術家・岡本太郎氏の「太陽の塔」を、文字通り超合金ロボット化した「超合金 太陽の塔のロボ」が、株式会社バンダイから発売されました。超合金製「太陽の塔のロボ」は全長約28センチで、「塔形態」→「ロボ形態」→「超兵器発動形態」の3段階に変形するというもの。「スーパー戦隊シリーズ」や「平成仮面ライダーシリーズ」などの特撮番組や玩具を開発したクリエイター・野中剛さんと、岡本太郎記念館館長の平野暁臣さんの強力タッグで、今回の"作品"が実現しました。



 そもそも、岡本太郎氏による「太陽の塔」とは、1970年、大阪で開催の「日本万国博覧会」のために制作された塔。上部には未来を表す「黄金の顔」、正面には現在を表す「太陽の顔」、背面には過去を表わす「黒い太陽」と、3つの顔があり、高さは70メートルにも及びます。実はこの塔は、万博閉幕後には解体される運命にありました。しかし、子供たちから「太陽の塔を残して!」「壊さないで!」という投書が多数寄せられ、解体中止が決定、現在まで万博記念公園に残されるようになったという経緯があります。「太陽の塔」が、いかに当時の人々を魅了し、子供たちの心をとらえたかを物語るエピソードです。



「芸術は爆発だ!」などの過激な言動ばかりが注目されがちな岡本太郎氏ですが、彼の戸籍上の養女で、実質的には妻であり秘書でもあった岡本(旧姓:平野)敏子さんによれば「内面はとてもナイーブ」だったとか。当時の子供たちから、太陽の塔解体中止の声が上がった時、彼はなにを思ったのでしょうか?



 本書『このタワーがすごい! 東京スカイツリーから「太陽の塔」まで』は、五重塔のような歴史的古塔から、東京スカイツリーのような最新の建造物まで、日本全国の「タワー」について網羅した一冊です。さまざまなタワーを生み出してきた先人たちの歴史に思いを馳せつつ、本書を一読してみてはいかがでしょうか。