あなたはラーメンを食べる時にすすって食べますか? それとも行儀よく音を立てずに食べますか? もし、行儀よく食べている人は、少し損をしているかもしれません。実は、ラーメンはすすって食べた方がより美味しく感じられるんだそうです。



 現在、発売中の雑誌『クーリエ・ジャポン』では、「日本の『国民食』ラーメンはいかにして世界を虜にしたのか」という特集が組まれています。この中で、ラーメンはすするとより美味しく感じられるとして、その要因について端的に紹介しています。



 麺をすするとは、口の中に空気を送り込むことで、結果としてより臭覚を使った食べ方になります。同誌によると、ラーメンを食べる上で、臭覚を利かせることがとても重要だというのです。



 そもそも人間の味覚は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つしかありません。一方、臭覚は6000種類も嗅ぎ分けることが可能です。これだけの能力を兼ね備えた臭覚を効果的に使わない食べ方では、匂いを含めたラーメンの「本来の味」を楽しめないというわけです。



 また、「"ズズッ"と音を立てれば、さらに聴覚を使うことができる」と、同誌では紹介されています。音を立ててすすれば味覚だけでなく、臭覚、聴覚も"稼動"させることができるのです。



 しかし、この麺をすするという行為、日本を出て海外に行くと、かなりマナーが悪い食べ方とされています。ですので、外国人は普通、麺類をすすって食べません。いや、むしろすすって食べられないといった方が正確かもしれません。彼ら外国人は、いざすすろうとしてもなかなか上手くできないのです。普段からすすっていないと、難しいということでしょう。そういう意味でも"すすり"は、日本独自の文化と言えるかもしれません。



 日本各地で独自に発展してきたラーメンは、今やうどん・そばなど他の麺類と肩を並べ、日本の「国民食」とも言える存在になっています。この国民食を日本人らしく味わうために、またより美味しく味わうために、積極的にすすって食べることをオススメします。