「これからの5年で、世界最高の講義を、ネットで、無料で受けられるようになるでしょう。それはどこか1つの大学で学ぶよりもずっと良い」



 NPO法人CANVAS理事長・石戸奈々子氏の著書『子どもたちは電子羊の夢を見るか?(2)デジタルとオンラインで変わる明日の教育』によると、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏は、大学における教育環境の変化について、2010年の夏、既にこう予言していたと言います。



 その言葉通り、現在我が国においてスマートフォンやタブレット端末などを使った教育のICT化は急速に広まりつつあり、同書ではその事例が数多く紹介されています。例えば、茨城県にある通信制のルネサンス高校では、13年5月に全校生徒にタブレットを配布し、好きなタイミングで教材にアクセスして授業を受け、レポートを提出できるようにしているのだとか。実際使用している生徒たちにも、「タブレットでの学習は楽しくてどんどん進む」「間違えているところはすぐに気がつき、復習できて、頭にはいる」と評判だそうです。



 教育のICT化が普及しているのは何も都心の学校に限ったことではありません。去る3月17日、沖縄離島で15歳を迎える中学生を対象とした「沖縄離島15の春旅立ち応援プロジェクト」が発足しました。県内企業のカルティベイトと沖縄セルラー電話、KDDI、そして京都大学の若林靖永教授が共同で発足した同プロジェクト。これは南大東、北大東、多良間島の中学生を対象に、情報リテラシーの向上やITを活用した教育支援を行うというもので、iPadを使った授業などのプログラムの実施や親子ケータイ教室を開催するそうです。また、プロジェクト発足に伴い沖縄セルラー電話は、3島に計30台のiPadを無償で提供し、1年間の通信料も負担するとのこと。



 現在、KDDIは2014年3月までに高速通信サービス「LTE」の実人口カバー率を99%までに引き上げることを掲げており、離島でも快適なインターネット環境が整いつつあります。すべての教育現場のICT化が完了するのも、そう遠くはない未来のことなのかもしれません。



【関連リンク】

沖縄離島の子どもたちを支援する「沖縄離島"15の春"旅立ち応援プロジェクト」

http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/03/17/213.html