「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」



 最近書店で、このインパクトのあるタイトルの本を見かけた人も多いのではないでしょうか。本の表紙も金髪の女子高生...いわゆるギャル。世間のギャルに対するイメージはいろいろあると思いますが、学年ビリだった子が慶応大学に現役合格することは、そうそうあることではないでしょう。



 主人公は、さやかちゃんというごく普通の女子高生ギャル。髪を染め、派手な化粧をし、友達とカラオケを楽しんだり夜遅くまで遊んだりする毎日。聖徳太子を女の子だと認識し、「せいとくたこ」と読むほど勉強ができず、成績は学年ビリでした。



 そんな彼女がなぜ慶応大学に合格できたのか、そして、この本がなぜ今売れているのでしょうか? 人は大人になるにつれ、子供の頃に描いていた夢や希望は「夢や希望でしかない」と思い知る事が多くなります。自分には絶対叶えられないと、いつの間にか諦めてしまうのが普通。でも心のどこかで(こうなりたいな...叶えてみたいな...)と思いながら、その思いを胸にしまい、日々の生活を送っているのではないでしょうか。



 今この本が売れているのは、こうした人々の心の表れかもしれません。



「絶対無理」に挑んだ女子高生。

「絶対無理」をやり遂げた女子高生。



 読み終えると、少し勇気が湧いてきます。諦めるのはまだ早いな、そう感じるはず。



 現在は慶応大学を卒業後、結婚式場に勤めているさやかちゃんですが、高校3年生の彼女に何が起こったのか――。来年受験を控える学生に読んでもらいたい一冊です。