結成50周年のバンド、ザ・ローリング・ストーンズが8年ぶりに来日し、6度目の日本ツアー「14 ON FIRE JAPAN TOUR 2014」で多くのロックファンを魅了しています。また、つい最近では、世界的ギタリストのエリック・クラプトンも日本ツアーを終えたばかり。3月末からはボブ・ディランも日本ツアーを行うとのことで、ロック旋風が巻き起こっています。



 こうしたミュージシャンたちに憧れ楽器を始める人は多く、その中でもとくに演奏者の人口が多いのがギターです。しかし、すぐに上手く弾けるようになるのは難しいもの。なかでもギター初心者が最初につまずく関門として、「Fのコード(ファ・ラ・ドの和音)が押さえられない」というものがあります。



 ギターでコードを演奏する際は、基本的に複数の弦を指で押さえ音を鳴らしますが、「Fのコード」は人差し指ですべての弦を押さえるのが一般的。力がどんなにあっても、コツを掴まないと上手く押さえることができないコードなのです。しかし、大阪芸術大学講師で音楽評論家のスージー鈴木さんは、著書『Fを3本の弦で弾くギター超カンタン奏法』で、苦しむことなくFを押さえる方法を紹介しています。



 通常Fは6本の弦を押さえることで鳴らしますが、スージーさんによればその半分の3本の弦を押さえればいいとのこと。人差し指、中指、薬指で一本ずつ弦を押さえるだけなので、初心者でも簡単にFが弾けるようになります。



「コードは3つの音が出せればいい。【F】の場合はファ・ラ・ドが出せれば十分【F】なので、6本の弦を押さえなければならない理由はどこにもない」(スージー鈴木さん)



 スージーさん自身、青春時代は何度もFに挫折したそうですが、この方法によってFで挫折せずにギターを弾くことができたのだそう。多くの人は、はじめ教則本を頼りに図解されたコードの押さえ方を真似しながら練習することでFに苦しめられてしまいますが、和音の中身を知り必要最低限鳴らせば良い音を理解することで、突破口が開けるようです。



 同書では24個の主要コードを取り上げ、そのうち13コードを擬人化し、音のキャラクターをわかりやすく紹介。たとえば、ビートルズの「レット・イット・ビー」や「フロム・ミー・トゥ・ユー」で使われる入門コードC(ドの和音[ド・ミ・ソ])は「文武両道の優等生」など、今までになかった角度から分かりやすく音楽理論を解説しています。



 さいごに、擬人化した主要13コードがおもしろいので以下に紹介します。



【C】文武両道の優等生

【D】開放的なやんちゃ坊主

【E】ロックンロール好きの不良少年

【F】文科系で女々しい軟派な少年

【G】陽気な体育会系男子

【A】元気はつらつなロック少年

【E♭】ガリ勉文学少年

【B♭】学校では目立たない影の番長

【Em】怒涛の暗黒女子

【Dm】草食系オタク女子

【Am】堂々たる女子学級委員長

【Bm】モデル体型でオシャレ、でも地味

【Gm】骨太、ハト胸な女子バレー部キャプテン



 コードをキャラクターとあわせて覚えることで、上達の速度も上がりそう。擬人化されていない残りのコードも自身で擬人化し、音のイメージを深めてみてはいかがでしょう。