(C)烏丸経済新聞
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日本漢字能力検定協会が、恒例の「今年の漢字」を清水寺本堂で発表しました。全国に設置した応募箱やはがき、インターネット、中国、台湾、ベトナムなどの海外からの応募で決定した「今年の世相を表す漢字」には「輪」が選ばれました。



その理由に挙げられたのが、2020年の東京五輪招致や、震災復興支援などによる人々の「輪」です。東京五輪を決定づけた「招致スピーチ」は、多くの人々の心に残っていることでしょう。



パラリンピック女子走り幅跳び代表・佐藤真海氏、招致委員会理事長・竹田恆和氏、東京都知事・猪瀬直樹氏、招致"Cool Tokyo"アンバサダー・滝川クリステル氏、2008年北京大会フェンシング(フルーレ個人)銀メダリスト・太田雄貴氏、内閣総理大臣・安倍晋三氏らによるプレゼンは、日本だけでなく、世界中の人々の心を掴みました。



実はその招致スピーチの中で、安部総理が五輪の「輪」、そして人々の「輪」について語っていたことはご存知でしょうか。このスピーチを全文掲載した電子書籍『TOKYO 2020年オリンピックに導いた感動のプレゼンテーション全文』には、その箇所が掲載されています。



「いまも、こうして目を瞑りますと、1964年東京大会開会式の情景が、まざまざと蘇ります。いっせいに放たれた、何千という鳩。紺碧の空高く、5つのジェット機が描いた五輪の輪。何もかも、わずか10歳だった私の、目を見張らせるものでした」



「スポーツこそは、世界をつなぐ。そして万人に、等しい機会を与えるものがスポーツであると、私たちは学びました。オリンピックの遺産とは、建築物ばかりをいうのではない。国家を挙げて推進した、あれこれのプロジェクトのことだけいうのでもなくて、それは、グローバルなビジョンをもつことだ、そして、人間への投資をすることだと、オリンピックの精神は私たちに教えました」



2013年。1959年に決定した1964年の東京五輪とは違うのが「今年の漢字」の発表を受け、インターネット上で多くの人々がそのことを発信していることではないでしょうか。SNS上での情報発信や、NAVERまとめなどの「まとめサイト」ではその様子が速報として紹介され、多くのコメントが集まっています。聴き放題音楽サービスの「KKBOX」は、はやくも「輪」をテーマにしたプレイリストを作成。そのリストは、安倍首相の言葉ではありませんが、「音楽こそは、世界をつなぐ」ことをあらわすように、邦楽と洋楽がミックスされています。



来る2020年の「今年の漢字」は、何が選ばれるのでしょうか。その頃は今よりもっと世界がつながり、より大きな輪が広がっていることでしょう。



【関連リンク】

KKBOX 今年の漢字「輪」でMIX

http://www.kkbox.com/jp/ja/column/playlists-0-91-1.html