北海道ローカル局制作にも関わらず、全国区の番組となった『水曜どうでしょう』。番組DVDは累計300万枚を超えるなど、コアなファンも多く抱えています。北海道ローカルタレント・鈴井貴之さんと俳優の大泉洋さん、ディレクター・藤村忠寿さん、嬉野雅道さんの4人が、「旅」をテーマとした様々な企画に挑むバラエティー番組です。



『ダウンタウンDX』のプロデューサー・西田二郎さんと対談した書籍『てれびバカ』のなかで、ディレクター・藤村さんは、同番組の企画会議は「30分で終わる」と、舞台裏を明かしています。



「『オモシロい企画を考えましょう!』って誰かが会議で言った瞬間に、『その企画はオモシロくない』と思ってしまうんですよ」



こう考える藤村さんは、「何かやりたい人」と声をかけて、企画会議の参加者に手を挙げさせます。そして、「ここに行きたいです!とにかく、行きたいんです!」と熱く語る人がいれば、その企画で決定とするそうです。



面白いものを無理やり作り出すのではなく、「何か熱がある」「何かありそう」という感覚を重要視した結果、企画会議は30分以内で終わってしまうとのこと。あとは現場でつくり上げるため、純粋な出演者である大泉洋さんは、企画会議にも参加もせず、その内容も知らされないそうです。



「それをオモシロいとかオモシロくないとかの尺度で最初から考えないのよ。『これ、オモシロくなるよね!』って思ってしまうと、それ以上のものはできない。『こんな企画はたいしたことないやろ!』っていう考えから初めていく」(藤村さん)



『水曜どうでしょう』の魅力は、会議を重視せず、現場で生まれるものを重視する姿勢にあるのかもしれません。