9月10日に、アップル社から正式に発表されたiPhone 5s、iPhone 5c。ソフトバンク、auに続き、ドコモの参入が発表となり、携帯各社による競争は新たな局面を迎えることになりました。各社が、同じiPhone端末を発売することになるため、勝負を分けるのは「LTE」の通信速度であると専門家は語っています。



そもそも「LTE」とは何でしょうか?LTEは、「long term evolution」の略称。携帯電話、ノート・パソコンやタブレット端末、電子書籍端末、デジカメやテレビなどからの高速通信や、クラウドコンピューティングなどの大容量データのやりとりを行うことを前提に構想されていました。



利用できる電波には、ラジオのような周波数の違いがあります。この周波数の違いによって、利用できる電波の性質も異なり、通信のしやすさや届きやすさなどに違いが出てきます。



ドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの携帯各社には、LTEの周波数帯が割り当てられています。LTEの周波数帯の中でも、注目すべきはドコモとKDDIが利用する800MHz帯、「800M LTE」。700MHz帯から900MHz帯の周波数帯は「プラチナバンド」とも呼ばれるほど、高品質の通信が可能となっています。「プラチナバンド」の周波数帯は障害物を回り込む性質があるのが特徴。この電波の性質により、遠く離れた場所やビル陰などにもよく届くなど、通常の電波以上につながりやすいのが特長です。このプラチナバンドを利用するLTEが、現状最もつながりやすい携帯通信網とされています。



今回発売されたiPhone 5sやiPhone 5cでは、この800MHz帯が初めて対応となりました。総務省が提供する免許許可数に関する資料によれば、プラチナバンド帯のLTE基地局数の数に大きく差が生じています。KDDIは3.1万局、ドコモは2000局、そしてソフトバンクは0局だというのです。



書籍『LTEのすべて--基本原理から実装技術,そして国別周波数割り当てまで」で語られているように、これからは光回線並の高速データ通信が、モバイル環境で利用できる時代に突入します。誰しもが、スマホをはじめとする携帯端末を持つことが出来る時代。新型iPhoneへのプラチナバンドの対応は、携帯通信網をはじめとするインフラストラクチャに、あらためて注目が集まる契機となりそうです。



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http://matome.naver.jp/odai/2137886577134426001