夏真っ盛りの8月。海やキャンプ場などの屋外レジャーの時期らしく、水着コーナーが賑わっています。「細マッチョ」「くびれ」「二の腕」など、異性の身体的特徴を「好き」と公言する人も珍しくない昨今。異性の目を気にして、筋トレやダイエットに励んでいる方も多いのではないでしょうか。



 テレビドラマやアニメにもなった漫画「臨死!!江古田ちゃん」の作者・瀧波ユカリさんもまた、男性の「筋肉フェチ」であるということを、書籍『女もたけなわ』の中で告白しています。



 瀧波さんが、筋肉フェチになったきっかけは、体操の内村航平選手や、水泳の松田丈志が躍動した昨年のロンドンオリンピック。若い頃は「筋肉ムキムキ」の男性がいやだったという瀧波さんは、自身の周りにも同じような意見を持つ女性が多いと語っています。



 海外にはマッチョな肉体美を誇るスターが多いのに対し、日本の「好きな芸能人ランキング」上位を占めるのは、細身ですらっとした体型のイケメンです。瀧波さんは「筋肉フェチ」が増えない理由は、日本の一般男性たちにあると自説を展開します。



 「筋肉フェチが増えて困るのは誰だろう? 筋肉のない一般男性達である。彼らは必死で『筋肉バカ』なんて言葉を広め、筋肉があっては着られない細身の洋服を流行らせ、小島よしおやなかやまきんに君やレイザーラモンHGなどの筋肉系お笑い芸人を持ち上げて『筋肉=笑の対象』というイメージを大衆に刷り込み、筋肉男子フェチがメインストリームとなることを今日の今日まで阻止し続けているのだ」



 「他人に恥をかかせてまで優しいアピする男」「イケメンは尻で箸を割るか」「恋の終わりの性病検査」などと、男女の関係をシニカルに笑い飛ばす本書。人生の「たけなわ」を生きるための、作者ならではのヒントが満載です。