ファミコンやスーパーファミコンなどの往年のゲーム機には、負けていても、状況が悪くても、ゲームを最初からやり直すことのできる「リセットボタン」が付いていました。挫折や失敗から「人生をリセットしたい」「リセットボタンを押したい」と願ったことのある人は、少なくないはずです。



 ネット上で人気を集めるクリエイター集団 "KEMUVOXX" の「人生リセットボタン」は、まさに人生をやり直すためのボタンをモチーフにした楽曲。少年の挫折を歌う鮮烈な歌詞と不穏で疾走感のあるメロディを、人間の声を元にした「ボーカロイド」が歌う楽曲が好評を得て、「ニコニコ動画」では170万再生回数を超えています。この度、「太鼓の達人」や「SOUND VOLTE」の音楽ゲームに収録されるなど、ネットの世界を超えて愛されるようになった超人気楽曲が、同名の小説『人生リセットボタン』として発売されました。



 主人公のユウトは、根拠のないプライドゆえに失敗を嫌う、どこにでもいる凡庸な中学生。"完璧で潔癖"な兄を持つことをコンプレックスとしています。そんなユウトは、謎の少女・マキちゃんとの出会いから、人生を望みのままにやり直すことの出来る「リセットボタン」を手にします。「リセットボタン」を手に入れたユウトは、ダメダメな人生から脱却。望みどおりでないことがあれば「リセットボタン」を押して、人生をリセットすることを繰り返しながら、完璧な学園生活を送るようになるのですがーー。



 青春ならではの焦燥感にあふれ、スタイリッシュな中2 心が全開な本作。6月26日の発売後、売れ行き絶好調につき、たちまち増刷が決まったそうです。「僕はただ、完璧で、潔癖でありたかったんだ」とミスのない人生を望む、主人公・ユウトの"選択"はいかに。明確なキャラクターが登場しない楽曲を下敷きに、登場人物、ストーリーをすべてゼロから創作した「ボーカロイド・ノベル」です。