大学の就職率で男子が女子を下回る----―つい最近、厚生労働、文部科学両省が発表したこんなニュースを耳にした人も多いのではないでしょうか。背景には、女子の就職が多い福祉をはじめとした業界の求人増などがあげられるようですが、今や一昔前のように「男の方が就職に有利」といったことが通用する世の中ではなくなってしまったのかもしれません。



 時代の流れの中で就職活動における様々な"定説"が覆り始めました。それと同時に、新たな"一般論"として根付きつつあるのが「学歴社会の崩壊」という言葉です。



 しかし「我が社は学歴を問いません」と求人要項に書かれた会社でも、面接を受ければ周りは高学歴だらけ。社員のプロフィールを見ても出身校の欄には有名大学の名前がずらり......そんな状況を目の当たりにした学生も少なからずいるはずです。それにどんな業界でも活躍している人には圧倒的に高学歴が多いのが現実でしょう。



 では本当の「学歴社会の崩壊」とはどういう意味なのでしょうか? 秀英予備校で講師として教壇に立つ関正生氏と伊藤賀一氏は、著書『受験勉強をしなければいけない本当の理由』の中でこう語っています。



「学歴社会の崩壊とは」、すなわち「学歴くらいは持っていないと話にならない」と解釈すべき!



 学歴があれば"すべて"うまく行く、というのは昔の話。しかし、教科書に出てくるようなことも知らずに社会に出たところで、人とコミュニケーションをとり、ましてや仕事をしてお金を稼ぐことができるのでしょうか? 学歴を得るための「受験勉強」の知識が「当然知っておくべきこと」ならば、そんなことも知らずに個性なんて出るわけがない、そう彼らは言います。



 なぜ進学をしないといけないのか? なぜ高い学歴を求められるのか? その疑問に、2人のカリスマ講師が気持ちいいほど明快に答えてくれています。読み終わった時点で、立派な受験生になっていること請け合いの一冊です。