「今のご時世、ミクシィとかフェイスブックやってない人の方が絶対モテますよね。見たくないですよね、そういうの」



「うん、私、好きな人がブログやってるだけでもやだ。えらそうに映画とか本の感想書いてると思っただけで鳥肌がたつ」



「そうなんですよ!だからこれは逆もまた真なりだと思ってですね、わたし絶対加瀬亮とか西島秀俊とか松田翔太のコミュニティ入るのやめようと思って! ていうか、これからは退会ですよ、退会! ソーシャルネットワークに縛られない自由な女を目指しますよ私は!」



 これは、作家・松田青子さんによる初めての単行本『スタッキング可能』に出てくるオフィスでの昼休みの女性社員の会話。一つの価値観として、こういった考え方に頷ける人も多いのではないでしょうか。


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