直木賞や本屋大賞などの受賞作の映画化が相次いでいます。先日公開された『舟を編む』(2012年の本屋大賞)のようなヒット作も多数生まれ、今や映画業界にとって知名度が高い文学賞は見逃せない存在になっているようです。

 つい最近も立て続けに過去の直木賞作品の映画化が発表されました。例えば、2008年に受賞した桜庭一樹の『私の男』。浅野忠信と二階堂ふみという人気俳優の二人が父と娘による「禁断の愛」を描いた同作に挑戦するとあって、原作ファンならずとも話題を呼んでいます。

 さらに、2010年受賞作の中島京子の『小さいおうち』も映画化が決定。こちらは主演が松たか子、監督が山田洋次という豪華さで注目を集めています。

 両作とも数年前の作品ですが、映画化となれば書店で再び目にする機会も増え、より多くの人が原作を手に取ることは間違いありません。出版社にとっても映画化はベストセラーに欠かせない「ヒットの方程式」のひとつになっています。なぜなら、普段は本を読まない層にアプローチできるから。一方で、この流れは電子書籍にも影響を与えています。

 Kindleの登場により電子書籍が普及しつつあることで、直木賞や本屋大賞(もちろん芥川賞も)のような話題作が電子化されるケースが多くなっています。もちろん、映画化を契機に検討される作品も増えました。

 「電子書籍が騒がれているけど、それほど本を読まないから手に取る機会がない...」という人は、映画化をひとつのきっかけに、電子書籍の入門編として話題作をダウンロードしてみるのもいいかもしれません。

 しかも現在はKindleだけではなく、auやドコモ、ソフトバンクという携帯キャリアも電子書籍の配信サービスを充実させています。特にauは「スマートパス構想」を掲げ、アプリや電子書籍、動画などのコンテンツビジネスに注力することを明言しているだけあって、同社のブックパスの提供数は約12万冊を超える充実ぶりです。

 対して、ドコモ(dブック)は約4万5000冊、ソフトバンク(スマートブックストア)は約3万冊。とはいえ、肝心の「読みたい作品」が配信されていなくては意味がありません。その例として、今年の本屋大賞候補作がどれだけ各社のサービスにラインナップされているかを調査した人の「NAVERまとめ」をみてみると、

ブックパス(au): 11冊中7冊
dブック(ドコモ):11冊中6冊
スマートブックストア(ソフトバンク):11冊中0冊

という結果になっています。

 GWや夏休みの旅先でふと暇な時間ができたとき、これらのキャリアを使って読みたい本を読めたら便利ですね。


【関連リンク】
本屋大賞をスマホで徹底的に楽しむ方法(NAVERまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2136695968863081001