私は、いきなり次の選挙で「政権交代をする」とは言いません。200議席は現実的な目標で、そうなれば自民党も国会運営に緊張感が出る。自民党という政党を変えるには、野党を増やすことが必要なのです。

──「自民党を変えるために野党を増やす」というのでは、野党第一党としての目標が消極的ではないですか。

 国会が与野党伯仲になったのに、それでも自民党が変わらなければ、次は政権交代しかありません。その時はどうなるか。自民党内からも不満が出る。千葉県知事選もそうでしたが、各地の地方選挙で与党が次々と分裂しているように、国政でも同じことが起こります。

 もちろん野党も変わる必要があります。野党の議席数が増えれば、「野党連合政権」を訴えている共産党も、具体的に立憲とどのような政権を作るのかを議論しなければなりません。日米同盟、自衛隊、天皇制など、野党内でどのような見解をまとめるのか。それから共産党は逃げることはできません。

 やってはいけないことは、選挙前に突然、政権合意を作ることです。時間をかけてオープンな形で議論し、野党内だけではなく、支持者にも理解してもらえるようにする。立憲も共産も変わらなければならない。しかし、それができれば「大人の野党」になることができます。

──共産党は変わることができますか。

 共産党だって、今の野党で政権交代を目指すなら変わらざるをえない。現実には、政策にこだわっているのは政治家の方で、共産党の党員の方は柔軟ですよ。だから、私は共産党委員長の志位(和夫)さんには「一つ取ったら二つ譲ってくれ」と言っている。「過去の方針と矛盾したことは言いたくない」という共産党も、政権を目指すと宣言したわけだから、これからどんどん変わっていかないと、党員も納得しません。

──野党の中には、維新の会との協力を模索する動きもあります。

 維新の会と協力できれば、野党に有利であることは間違いありません。しかし、国会での維新の行動は与党とほぼ同じで、現在の野党と一緒に選挙を戦うことは考えられません。これは政党の考え方の問題なので、我々が変えることのできるものではありません。だから、次の総選挙では「維新は実質的に与党の一員だ」と国民に認識してもらう必要があります。

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岡田克也議員とグループを設立