監修・大出英子先生(おおいで・えいこ)/幼時から植物に親しみながら育つ。東京農業大学卒業後、英国でガーデニングを学び、現在は東京農大地域環境科学部准教授、グリーンアカデミー副校長 (撮影/写真部・松永卓也)
監修・大出英子先生(おおいで・えいこ)/幼時から植物に親しみながら育つ。東京農業大学卒業後、英国でガーデニングを学び、現在は東京農大地域環境科学部准教授、グリーンアカデミー副校長 (撮影/写真部・松永卓也)

 新型コロナウイルス感染防止のため「ステイホーム」が推奨された。その中で人気となったのが、ガーデニング。園芸用品もよく売れた。せっかく始めた庭づくり、見栄えよく、自慢できるものにしよう!

【写真】「寄せ鉢」でベストな見栄えをキープ

 外出自粛期間中、多くの著名人が自宅で育てた野菜や草花の写真をSNSにアップした。実は、人に見せて自慢するのもガーデニングの楽しみの一つ。

 東京農業大学グリーンアカデミー副校長の大出英子先生は「ガーデニング大国の英国では地位のある人はみな庭いじりを楽しんでいます。キャサリン妃も先日、昨年のチェルシーフラワーショーでのガーデニング姿をSNSにアップしていました。庭の楽しみは、植物だけではなく、風や光、季節や自然を感じること。そして庭を通じて人とコミュニケーションを取ることです。失敗を恐れず、トライして学び、楽しみながら自分らしい庭をつくっていただきたいです」と話す。

 大出先生に、庭づくりを楽しむコツを伝授していただいた。

Tips(1)「寄せ鉢」でベストな見栄えをキープ

Tips1 「寄せ鉢」でベストな見栄えをキープ (撮影/大出英子)
Tips1 「寄せ鉢」でベストな見栄えをキープ (撮影/大出英子)

 一つの鉢に1種類の植物を植え、いくつもの鉢を寄せて並べるのが寄せ鉢。寄せ植えより簡単だし、見頃の花を集めて並べることも可能。上手に見せるコツは、鉢色を揃え、高低差をつけること。大出先生は「それだけで見違える」と言う。立体的に並べることで日当たりや風通しがよくなる効果もある。違う景色をつくりたければ、違う鉢と入れ替えればいいだけだ。

Tips(2)植物だけでなく光や影も楽しむ

Tips2 植物だけでなく光や影も楽しむ (植栽デザイン/平工詠子 撮影/大出英子)
Tips2 植物だけでなく光や影も楽しむ (植栽デザイン/平工詠子 撮影/大出英子)

 LED電球の普及により、熱を出さずに照らせるようになったため、注目したいのが庭や植物のライトアップ。間接照明を庭に取り入れ、草花に直接光を当てたり、裏から当てたりすることで光と影が生まれ、夜の庭に表情や動きが出てくる。大出先生のおススメは、冬も楽しめる「オーナメンタルグラス」。葉だけでなく穂にも色や姿かたちのバリエーションがあり、そよぐ姿に本来は目に見えない風の姿を目で楽しむことができる。

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