“トロ握り”誕生100年 発祥の店で聞いた意外な名付け親
菊地武顕週刊朝日

東京・日本橋の吉野鮨本店の中トロ(手前・1貫税別900円)、大トロ(奥・同1200円) (撮影/写真部・松永卓也)
「鮨の食べ方に決まりはありません。好きな順番で御自由に。楽しみ方は人それぞれですから。でも時々トロだけ食べて帰る人がいると、他のも味わってほしいと思いますけど」
【写真】小肌、海老、煮烏賊、穴子など、極上の握りはこちら
東京・日本橋の「吉野鮨本店」5代目店主の吉野正敏さんは苦笑する。トロ握りは、この店で大正8年か9年(1919年か20年)に生まれた。ファンにとって聖地である。

「仕事」をした握り。手前左から小肌、海老、煮烏賊、穴子。奥左から赤身漬け、中トロ、大トロ、玉子、煮蛤 (撮影/写真部・松永卓也)

「トロの質にこだわりがないわけではないが、一番重要なのは値段とのバランスですよ」 (撮影/写真部・松永卓也)

「うちは比較的手数をかけて箱を作るように握ります」 (撮影/写真部・松永卓也)

吉野さんは大学を出て他店で修業することなく、実家で働きだした。「よその味よりうちの味を覚えないと困る」と、先代が判断した (撮影/写真部・松永卓也)
煮烏賊、煮蛤など、伝統的なタネを提供しつつ、新タネ作りも試行錯誤している。
「吉野鮨本店」東京都中央区日本橋3‐8‐11/営業時間:11:00~14:00L.O.、16:30~21:30L.O.(土は昼のみ)/定休日:日祝
(取材・文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2020年4月10日号

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