(3)二重橋交差点/両陛下の車が皇居外苑から内堀通りに出てくる瞬間を狙う。前方向からの撮影に挑戦 (撮影/熊切大輔)
(3)二重橋交差点/両陛下の車が皇居外苑から内堀通りに出てくる瞬間を狙う。前方向からの撮影に挑戦 (撮影/熊切大輔)

(4)の内堀通り付近は車との距離が近く、真横から車列を狙う場合は、好ポイントの一つだ。横向きの撮り方について切さんが話す。

「カメラのフレームが水平にそろうと気持ちよく構図が決まります。失敗しがちなのは、大きく撮ろうとして被写体にズームで寄りすぎた場合です。時速10キロでも車や人などの『動きモノ』は、アッという間に通り過ぎるため、シャッターチャンスを逃すおそれがある。画面に余裕をもって構図を決めてください」

(4)祝田橋交差点/天皇陛下側からの撮影。背景に皇居外苑の石垣があり雰囲気が出る (撮影/熊切大輔)
(4)祝田橋交差点/天皇陛下側からの撮影。背景に皇居外苑の石垣があり雰囲気が出る (撮影/熊切大輔)

 平成のパレードでは12万人が沿道にあふれた。今回も混雑は必至だ。後方で腕を上げて撮らざるを得ないときは、どうしたらいいか。

「人々が振る日の丸や、上げている携帯カメラも『演出』として写し込んでしまう。お祝い感や時代感が出て、むしろ格好いいでしょう」と熊切さん。

(5)国会正門前/この時間帯は逆光になるが、太陽が白の棟の先端に重なり変化のある写真になる (撮影/熊切大輔)
(5)国会正門前/この時間帯は逆光になるが、太陽が白の棟の先端に重なり変化のある写真になる (撮影/熊切大輔)

 街の雰囲気が出る(5)の国会議事堂や、坂を下る約50台の車列がずらりと並ぶ構図が狙える(6)の赤坂見附の立体交差、(7)の青山「ツインビル」周辺についてはこうアドバイスする。

(6)青山通り/車列が赤坂見附の立体交差点から坂を下ってくる場面がシャッターチャンス。角度をつけて撮影できる唯一の場所 (撮影/熊切大輔)
(6)青山通り/車列が赤坂見附の立体交差点から坂を下ってくる場面がシャッターチャンス。角度をつけて撮影できる唯一の場所 (撮影/熊切大輔)
(7)青山一丁目交差点/「ツインビル」を背景にするとメリハリのある写真になる (撮影/熊切大輔)
(7)青山一丁目交差点/「ツインビル」を背景にするとメリハリのある写真になる (撮影/熊切大輔)

「プロのカメラのように、両陛下のアップを狙うには限界があります。ならば、東京ならではの建物を背景に入れて、東京という街を走るパレード写真を楽しんでください」

(8)外苑東通り/雅子さま側。赤坂御用地の緑が映える (撮影/熊切大輔)
(8)外苑東通り/雅子さま側。赤坂御用地の緑が映える (撮影/熊切大輔)

(本誌・永井貴子)

週刊朝日 2019年10月25日号の記事を加筆・修正