■東大法学部卒のタロット占師ムンロ王子さん
ムンロ王子(むんろおうじ)/ハイブリッドパフォーマー。東京大学法学部を卒業後、大手コンピューター会社勤務を経て独立。IT会社を経営しながら趣味で始めたタロット占いが評判となり、注目を浴びる存在に。フェイスブックで情報を発信中 (撮影/小暮 誠)
ムンロ王子(むんろおうじ)/ハイブリッドパフォーマー。東京大学法学部を卒業後、大手コンピューター会社勤務を経て独立。IT会社を経営しながら趣味で始めたタロット占いが評判となり、注目を浴びる存在に。フェイスブックで情報を発信中 (撮影/小暮 誠)

 かわって、いま中高年の女性たちに人気の占師・ムンロ王子さんにも檄を飛ばしていただこう。

「今や人生は100年時代なのよ。60過ぎたくらいで『私の人生なんか、いまさら』と言ってたら、あとの40年どうするのよ。子どもや夫を生きがいのすべてにしてはだめ。人生の第二章は自分のために、そして社会のために生きなきゃ」

 王子の肩書は正しくは“ハイブリッドパフォーマー”。IT企業の経営の傍ら、タロット占師、シャンソン歌手、朗読家としても活動しているという「年齢不詳」の男性だ。

 テレビ等ですでに有名な話だが、王子は東大法学部卒。趣味で始めたタロット占いが当たると噂になり、気づけば10年で1万人を占っていた。いまは都内の複数のカルチャースクールでタロットカードの授業も受け持つ人気ぶりだ。

「タロットは78枚のカードからその人の現在、過去、未来を読み解くもの。私が皆さんにしていることは正確に言えば『占い』というより『カウンセリング』に近いと思います」

 王子は皆に説く。

子育てが終わっても、それは人生のゴールではありません。企業に定年はあっても、人生に定年はないのです。経験は財産です。その財産は社会のために役立てるべきだし、そうやって社会に関わることが自分の存在価値を生むの。若い世代のためにボランティア活動に尽力したっていいじゃないですか。私のしていることも、精いっぱいの草の根運動ですよ」

 次の一歩が踏み出せない人たちの背中をそっと押し続けてあげられればと思っている。

「どうせ死ぬんだから頑張らない、なんて言っていたら、いつまでたっても何も始まらないのよ」

(ライフジャーナリスト・赤根千鶴子)

週刊朝日  2019年6月28日号